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イベント  2025.07.03

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津波から子どもを守れますか 宮城・大川小裁判映画 愛知東邦大生ら鑑賞、遺族と交流

映画を見た感想などを述べる学生ら=名東区の愛知東邦大で

映画を見た感想などを述べる学生ら=名東区の愛知東邦大で

 東日本大震災による津波で、児童ら計84人が犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校の裁判を巡るドキュメンタリー映画「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」の上映会とトークショーが1日、名東区の愛知東邦大であった。教員や保育士志望の学生ら77人が、遺族の只野英昭さんとオンラインで交流し、子どもの命を預かる責任の重さを胸に刻んだ。(角野峻也)

 大川小では児童74人と教職員10人が亡くなった。映画では、津波からの避難が遅れた責任を追及し、学校側の過失を認めた仙台高裁の判決が確定するまでの道のりを描く。同大教育学部の水野伸子教授のゼミが、教員や保育士を目指す学生に職責の重さに向き合ってもらおうと企画した。

 ビデオ会議システム「Zoom」を使ったトークショーで、只野さんは「裁判で責任の所在は明らかになったが、真相究明はされていない」と強調。「一度大川小学校の校庭に立ち、自分なら子どもを守れるのか、考えてもらいたい」と呼びかけた。原告側の弁護を担当した斎藤雅弘弁護士は「わが子の命が亡くなったのは、なぜなのか。実感として知りたいご遺族の気持ちに突き動かされた」と話した。

 小学校教員を目指しているという4年の長江亜美さん(21)は「子どもからすると、教員は第二の親。常に目の前の子どものことを考えて意見が述べられるようになりたい」と話した。

(2025年7月3日 中日新聞朝刊市民総合版より)
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