雅楽の演奏を披露する皇学館大の学生たち＝伊勢市の近鉄宇治山田駅で

　皇学館大の雅楽部による演奏会が５日、伊勢市の近鉄宇治山田駅であった。雅楽部は普段は県内を中心とした神社の祭典などで演奏していて、駅での披露は初めて。利用者たちが足を止め、日本古来の豊かな音色を楽しんだ。

　駅２階の団体待合所に部員６人が登場。笙（しょう）や龍笛（りゅうてき）で、祝いの席で披露されることも多い「越天楽（えてんらく）」や「豊栄（とよさか）の舞」、ジブリ映画の主題歌「もののけ姫」を奏でた。それぞれの楽器の演奏方法や音色について、集まった人たちに紹介した。

　駅を利用する観光客や地域住民に雅楽に興味を持ってもらおうと、大学が駅と協力して企画した。部員で文学部神道学科３年の野村音夢（ねむ）さんは「大きな拍手がありがたく、貴重な経験になった」と振り返り、市内の６０代女性は「練習を頑張っているのが伝わってきた」と聴き入っていた。（清水大輔）

（2025年8月7日　中日新聞朝刊伊勢志摩版より）