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中日新聞掲載の大学記事

2010.09.10

愛大生が中国実地調査 経済学部の21人 日系企業の現状肌で体験

■行動力、言葉の大切さ実感

 中国へ進出した日系企業の現状を学ぶため、豊橋市の愛知大経済学部の学生らが8月、中国の香港や広州などを訪れ、フィールドワーク(実地調査)をした。中国アジア経済コース所属の葛谷登准教授(中国思想史)は「許可などの関係もあり、中国内の企業を直接見られるのは極めて貴重な体験」と意義を語った。(石屋法道)

 参加したのは学生19人と留学生2人の計21人。葛谷准教授の「中国華南における日系企業の展開」をテーマにした授業の一環で、8月15〜21日に中国へ。同学部では以前からアジアへのフィールドワークを行っていたが、4年ぶりの実施となった。

 訪問先はジェトロ(日本貿易振興機構)香港センターから始まり、深●(しんせん)テクノセンター、ジェトロ広州事務所と広州にある日系企業の生産現場。事前に社長から講義を受けたトヨテック(本社豊川市)の工場の東莞(とうかん)トヨテックも訪れた。

 参加した4年の波多野貴久さん(21)は「中国人は合理的に動き、個の強さがビジネスに有利に働いている。外国語を学ぶなどの行動力や姿勢は見習わないといけない」と感想。3年の桜井省吾さん(20)は「工場では集中して作業する人がいる一方で、だらだらとやっている集団もあった。外国でのビジネスには言葉は大事だと感じた」と振り返る。学生らは街の様子も見て回った。2年の加藤明日香さん(19)は「建物は現代的で、日系企業の工場設備は整っていたが、街では扉のない家もあって差が激しい」。上海旅行の経験がある3年の小川美咲さん(20)は「同じ中国でも全く違う印象。香港は米国っぽく感じた」と中国の広さを肌で感じていた。

 学生らは帰国後、リポートを提出。葛谷准教授はまとめの授業で、中国語が国際語になりつつある点や中国の巨大さを指摘した。取材には「よく準備してしっかり見れば、万巻の書に勝る。メディアの見方だけでは説明できないことを体験し、生の現実を知ることができた」と話した。

※●は、「土」へんに「川」

(2010年9月10日 中日新聞朝刊東三河版より)
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