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お知らせ 2025.06.20
アジア・パラ大会 ボランティア 参加学生応援 名市大 単位認定へ

名古屋市立大の学内には、学生ボランティアを募るポスターが掲示されている=19日、名古屋市瑞穂区で
アジア大会は同年9月19日~10月4日、パラ大会は10月18~24日。同大では例年、夏季休業期間の後、9月の最終週から授業が始まる。運動部に所属する学生らからは「アジアのトップ選手が集まる大会に関わりたい」といった声が大学側に届いており、学生がボランティアに参加しやすい態勢を検討してきた。
同大には、大学が認定した団体や、被災地などでのボランティア活動を支援するため、一定の活動時間数を目安に単位として認める制度がある。16年の熊本地震では、被災地での活動期間中の授業を欠席扱いとしない取り組みもしてきた。
同大会でもこの制度を活用。実習や実験など一部の授業以外は、届け出をすることで欠席扱いにしないほか、後日に授業を録画で受けられたり、教材を配布してオンライン学習ができたりするよう配慮する。さらに、30時間以上ボランティア活動をした学生に1単位を付与する。
新型コロナウイルス禍以降、ボランティア活動に携わる学生は減少傾向にあり、伊藤恭彦副学長は「体験を通して得るものは大きい。特に来年の大会はまたとない国際交流の機会で、積極的に参加してほしい」と話す。教職員も参加しやすいよう、ボランティア休暇制度を改正するという。
■他大でも支援の動き
2026年アジア・アジアパラ競技大会の開催地である愛知県内の他の大学でも、ボランティアに参加を希望する学生への支援を検討する動きが出ている。
スポーツに携わる学生が多い至学館大は、社会貢献活動を単位として認める必修科目を設けており、同大会でも活用を検討。担当者は「学生時代に地元で国際大会が開かれるのはめったにない。大学として支援したい」と話す。
東海学園大、中京大、愛知東邦大も学生が参加しやすい仕組みを検討中。県立大は参加学生の交流会開催や交通費補助を検討する。その他多くの大学は現時点で予定はないが「担当教員の裁量で配慮する可能性がある」とした大学もある。
大会組織委員会は「学生ボランティア」と語学や競技知識のある「専門ボランティア」、「企業ボランティア」の目標参加人数を計2万2千人とし、10月末まで募集中。学生向けにはポスターやちらしを各大学に配布し、県内20大学で50回以上の説明会を開いている。学生ボランティアは観客案内や会場運営、選手のサポートなどを担うという。
文部科学省やスポーツ庁は昨年9月、「教育上の配慮」として同大会での学生のボランティア活動を授業の一環と位置付け、単位を付与できるとの通知を出している。
(2025年6月20日 中日新聞朝刊1面より)