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お知らせ  2018.08.31

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愛工大グループ 有機物の電気伝導性向上 リチウムイオン電池 高性能化期待

 リチウムイオン電池の高性能化につながることが期待される有機物に電気伝導性があることを解明し、さらに高い伝導性を持たせることにも成功したと、愛知工業大(愛知県豊田市)工学部の森田靖教授と村田剛志准教授らの研究グループが30日、英科学誌オンライン版に発表した。

 ほとんどの有機物は電気を通さない絶縁体だが、ごく一部は金属のように電気を伝える性質を持つことが知られている。

 森田教授らのグループは2011年までに、奇数個の電子から成る有機分子「中性ラジカル」を結晶にした物質の合成に成功。リチウムイオン電池の正極に使えることが分かったものの、電気伝導性の有無など詳しい性質は分かっていなかった。

 今回の研究では、重なり合う分子間に働く引力が電子の移動に有利に働いていることが分かり、電気伝導性を持つことを解明。伝導性能は、電子部品に使われる無機物の半導体のシリコンなどと同程度だった。

 この物質に、中性ラジカルよりも一つ電子の多い分子を混入したところ積層構造が変化し、電気伝導性を1000倍から10万倍に高めることにも成功した。

 森田教授によると、この結晶はリチウムイオン電池の正極に使われているコバルトやマンガンよりも安価に製造できるという。「電気伝導性が高まれば、電池の容量が飛躍的に伸び、充放電の速度も上がる。他にもまだ新しい性質が出てくる可能性がある」と話している。

(2018年8月31日 中日新聞朝刊29面より)

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