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中日新聞掲載の大学記事

2009.10.26

名城大 笑顔なき3位

■インフルより『レベルの差』 全日本大学女子駅伝

 ▽第27回▽25日▽仙台市陸上競技場をスタート、仙台市役所前市民広場をゴールとする6区間38・6キロ▽オープン参加の東北学連選抜を含む26チーム参加▽スタート時の天候 晴れ、気温18度、湿度57%、北東の風0・8メートル

 4年ぶりの優勝を狙った名城大(愛知)は2時間8分17秒で、3年連続の3位に終わった。序盤で後れをとった名城大は、最長区間の3区を走った野村沙世(2年)が4位から3位まで順位を上げたが、追い上げもそこまでだった。レースは1区からトップを守った佛教大(京都)が2時間3分32秒の大会新で初優勝し、立命大(同)の4連覇を阻んだ。

■4年ぶり頂点遠く

 3年連続の3位とは言え、ライバルの姿ははるかかなた。1位佛教大と4分45秒差、2位立命大とは3分4秒差と、力の違いをはっきりと見せつけられたレースだった。3位でゴールしたアンカー井原(4年)は「上位2校が強かった、と素直に思った」とポツリ。“3強”の一角を守ったことに笑顔を見せる選手は皆無だった。

 1区を任された津崎(2年)はトップから30秒差の7位で2区のエース西川(4年)につないだ。西川は一気の挽回(ばんかい)を狙ったが、思うように差を詰められず、4位で3区の野村へ。野村は一つ順位を上げたものの、3区終了時点でトップから2分22秒差。上位との差は、最後まで開く一方だった。

 トラブルも少なくなかった。野村がアキレスけん痛で直前の練習をセーブせざるを得なかった。1週間前には、5000メートルの持ちタイムがチーム2位の小田切(1年)がインフルエンザでリタイアした。米田勝朗監督(41)は「ベストオーダーを組めなかったのは敗因の一つ」としながらも「上の2つが強かったと言うしかない」と認め、「優勝ラインは(6人の5000メートル持ちタイム)平均が15分40秒台に上がってきている。学生たちが課題を明確に感じ取って、意識を変えていかなければならない」と奮起を促した。

 選手も2校の独走を許すつもりはない。次期エースの野村は「みんなが、15分40秒を切る生夏先輩(西川)を特別だと思っていたこと自体、まだレベルが低かったということ」と甘さを反省し、米田監督が掲げた15分40秒の記録も「今年中に狙いたい」と宣言。今年でチームを去る西川の「全員がエースになって引っ張る気持ちでやってほしい」というエールに、強気の決意表明で応えた。“3強”に踏みとどまり、そして再び頂点へ。高いハードルだが、飛び越えていくしかない。 (斎藤正和)

(2009年10月26日 中日スポーツ10面より)
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