進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2015.10.07

超電導 送電距離500メートルに 中部大が研究成果報告

 北海道石狩市で超電導直流送電の研究をしている中部大(春日井市松本町)が6日、これまで200メートルだった送電距離を500メートルに延ばすことに成功したとの研究成果を報告した。

 超電導は金属や合金を零下200度程度に冷やすと、電気抵抗がゼロになる現象。超電導による送電はロスが少なく、次世代の送電網として期待されている。

 中部大はプラントメーカーやIT企業などとグループを組織し、経済産業省からの委託で研究を進めている。送電ケーブルの技術開発を担っている。

 同大で報告会を開いた超伝導・持続可能エネルギー研究センター長の山口作太郎・工学部教授(63)によると、石狩市内の研究施設で6月、送電距離を500メートルに延ばすことに成功。9月には太陽光発電施設でつくった電力をデータセンターに送る実証実験も行った。同様の取り組みは世界にないという。

 山口教授は「送電距離をさらに延ばすためのケーブルの開発やコスト面の課題を解決し、2020年ごろの実用化を目指したい」と語った。

 飯吉厚夫理事長(79)は研究の将来構想を説明。「太陽光エネルギーを用いた超電導送電により、将来は国や大陸をまたいだ送電も可能になるだろう」と述べた。(佐久間博康)

(2015年10月7日 中日新聞朝刊県内版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ