進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2014.09.27

若手審判 夢へ駆ける 県内サッカー界 育成裾野広がる

 県内サッカー界で若手の審判員が育っている。名古屋市の瑞穂ラグビー場であった15歳以下のオールスター戦、メニコンカップ2014日本クラブユース東西対抗戦(中日新聞社共催)では、地元の高校生らが副審を務めた。(木下大資)

 オフサイド判定などを担う副審を任されたのは一宮工業高3年の長谷勇君(18)と天白高2年の新谷隼大君(17)。15日の対抗戦は観客9500人が詰め掛ける大舞台だったが「大勢に囲まれて楽しめた」と緊張の色を見せなかった。

 2人とも、県レベルの公式戦の主審ができる3級審判員の資格を持っている。この日主審を務めた佐藤隆治さん(37)は国際主審の資格を所有するプロで、2人にとってあこがれの存在。長谷君は高校でサッカー部に所属しながら、昨年足首をけがしたのをきっかけに本格的に審判にも取り組むようになった。来春に就職後も「佐藤さんを目標に上を目指したい」。新谷君は「うまい選手のプレーを間近で見られるのが審判の魅力」といい、Jリーグで笛を吹くのが夢だ。副審の控えにも名城大付属高2年の平林憲明君(17)が起用された。

 県サッカー協会は、審判員の若手育成のため、高校生中心の講習会などに力を入れてきた。10年前には高校生の3級審判員は数人しかいなかったが、現在は45人に増えた。協会理事で審判委員長の岡田秀美さん(61)は「ベテランが育成に協力的なこともあり、人材の裾野が広がってきた」と手応えを話す。

 女子の審判員も育ちつつある。県内に2人しかいない女性の2級審判員、竹島みなみさん(21)=名城大4年=はメニコンカップで、選手の交代時にボードを掲げる担当をした。主審や副審を補佐する第4の審判員だ。

 高校時代は女子サッカー同好会に所属したが、大学ではプレーする環境がなく、高校の恩師の勧めで審判の道へ。今では幅広い年代の女子大会で主審を務め、県内初の「女子1級」取得を目標にする。「将来はなでしこリーグで笛を吹きたい」と体力づくりにも余念がない。

■サッカー審判員

 日本サッカー協会(JFA)や傘下の地域サッカー協会が主催する試合で審判を務めるには、講習を受けて体力、実技、筆記試験に合格しなければならない。入門編の4級から始まり、年齢制限はない。女子のみ2級と1級の間に「女子1級」がある。1級資格を持ちJFAと契約を結んだプロレフェリーはごく一部で、多くは職業を持ちながら審判を務めている。

(2014年9月27日 中日新聞朝刊県内総合版より)
  • X

戻る < 一覧に戻る > 次へ