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北名古屋ごみ処分 年13億円!? リサイクル できることを

ごみ収集について解説する市古さん=北名古屋市の名古屋芸術大で
北名古屋市の名古屋芸術大で6日、リサイクルの大切さを学ぶ授業があった。市環境課職員が、市でごみを処分するのに年間13億円ほど費やしていることを紹介すると、聴講した約55人の学生からは「え!」と驚きの声も。生きる上で欠かせない「ごみ」の実態に理解を深めた。(若林和)
授業では、環境課職員の市古(いちご)明音さん(29)が「混ぜればごみ 分ければ資源」を合言葉に、ごみ処理の過程を説明した。可燃ごみの約20%を本来なら有効活用できる資源が占め、余計な処理費がかかっていると解説。「分別せず処分することは、お金を捨てることと一緒」とリサイクルを促した。
同市では可燃ごみを1キロあたり20円で処理している。ごみの中には多量の水分が含まれ、生ごみを捨てる際などにしっかり水気を切れば、年間で多額の処理費が浮くことも説明。分別を徹底し、ごみそのものの重量を削減できればさらに大きな節約になるという。
市古さんはこの他、ごみ収集員は毎日10キロほど走ってごみ袋を回収していることや、牛乳パック6個分でトイレットペーパー1個が作られることも説明。学生たちは興味深そうに話を聞いていた。
同市弥勒寺西で1人暮らしをする藤原壮矢さん(同大3年)は「ごみ処置にこんなにお金がかかっているなんて。自分にできることを考え、これからはごみを捨てたい」と振り返った。
授業は「尾張中央タイムズ」元記者で同大非常勤講師の米田環さん(63)が受け持つ「文芸基礎」の中で実施。学生たちは今後、市古さんの話を記事にしてまとめる。
(2025年10月8日 中日新聞朝刊尾張版より)