６回無失点で白星を挙げた中部大の肥田

　秋季リーグの１部は７日、愛知県豊田市運動公園野球場などで３回戦２試合と２回戦１試合があった。中部大が４－１で中京大を、愛工大が１－０で名城大をそれぞれ破り、２勝１敗として勝ち点をいずれも２に伸ばした。愛院大は６－３で東海学園大に連勝して勝ち点を３とした。

　１８日から始まる最終週を前に、優勝争いは勝ち点で並ぶ名城大と愛院大にしぼられ、勝ち点のない東海学園大の最下位も決まった。

　中部大は高橋の先制ソロで主導権を握った。愛工大は野崎が被安打３で完封。愛院大は福本が２本塁打を放った。

■けが乗り越え１年ぶり白星

　かつてのリーグＭＶＰ右腕が中京大の春秋連覇の夢を打ち砕いた。中部大の肥田が６回無失点で約１年ぶりの白星。右肘の手術を乗り越え、通算１０勝目を挙げた４年生は「本当はもっと勝っていたかったけど…。ここまで長かった」と余韻に浸った。

　変化球でカウントを稼ぎ、テンポ良く投げ込んだ。唯一、得点圏に走者を背負った五回２死三塁でも、最後はチェンジアップで投ゴロに仕留めた。「少し甘く入ったが腕が振れていた分、打ち取れた」と納得顔だった。

　２年春に５勝を挙げＭＶＰを獲得。だが、昨秋に右肘を痛め、１２月には手術を経験。思うように回復が進まなかったため、今春は登板なしに終わった。

　この日の勝利で、東海地区・北陸・愛知３連盟王座決定戦への出場に望みをつないだ。「良い形で引退できるように試合に臨みたい」。残り少ない学生生活を悔いなく終えるため、腕を振り続ける。（郷司駿成）

▽豊田　３回戦（愛工大２勝１敗）
名城大　０００００００００｜０
愛工大　００１０００００ｘ｜１
（城）伊藤達、天野－前田、大橋
（工）野崎－佐々木

▽同　同（中部大２勝１敗）
中京大　００００００１００｜１
中部大　０１１００１１０ｘ｜４
（京）磯部、沢田－森瀬
（部）肥田、津波－羽生田
本塁打　高橋（部）、川瀬（京）

▽名城大　２回戦（愛院大２勝）
愛院大　０００２１０１２０｜６
東海学園大　２１０００００００｜３
（院）高田陽、石原和、河野－松村、東野
（海）加藤、小鹿－堀江、中村貫
本塁打　福本２（院）

（2025年10月8日　中日新聞朝刊19面より）