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中日新聞掲載の大学記事

2013.08.13

名大3年 七原 149キロ “国立の星” 若竜斬り1イニング0封

■愛知大学選抜と中日2軍交流試合 21球力勝負

 愛知大学野球連盟選抜が12日、ナゴヤ球場で行われたプロアマ交流戦で中日2軍に8−2で圧勝した。“国立の星”として注目される名大・七原(ななはら)優介投手(3年・知立東高出)は愛知大学選抜の3番手として1イニングを1安打、1奪三振で無失点。この日の最速は149キロを誇り、中日2軍の主力打者に対して剛速球で勝負した。愛知大学野球連盟が選抜チームを編成してプロチームと対戦したのは今回が初めて。

■「楽しめた」

 3番手として4回のマウンドにのぼると、スタンドが急にざわつき始めた。愛知大学リーグでは2部所属ながら、今回の選抜チームに大抜てきされた七原の登場だ。味方打線が5点を先取した直後で、プロの反撃を警戒しなければいけない。並の投手なら縮み上がる場面も、“国立の星”にとっては待ってましたの盛り上がりだ。

 「プロの選手相手に自分の真っすぐがどれだけ通用するか。その力試しで、きょうは楽しもうと。実際に楽しめた」

 中日2軍の中軸打者を相手に、180センチ、78キロの右腕は140キロ台後半の剛速球を連発。4番・福田を146キロで右飛に仕留め、続く赤坂に投じた7球目はボールにはなったが、この日の最速149キロをナゴヤ球場の電光ボードに刻みつけた。真っすぐばかり投げ続けたものだから、最後は148キロを左前打された。しかし、セットポジションになってから七原の投球が光る。赤田を144キロの低めの速球で空振り三振。最後は杉山をツーシームで中飛。わずか21球で堪能させたのだ。

 「いいタマだった。クイックが速いし、タイミングが取りづらかった」と赤田。ネット裏にいた中日球団の関係者からは「ウチの浅尾によく似たタイプ」という声まで上がった。

■勉学を優先

 旧学制時代に帝国大学だった7大学で争う公式大会「七帝戦」が大阪で先週末に行われ、七原は9日の北大戦で、酷暑の中、先発で9イニングを投げたばかり。その疲れはあったが、球威は十分だった。試合後、スタンドからは「七原、勉強しなくてもエエぞ」とおかしな励まし?があったが、これは「野球で勝負してくれ」という意味か。3年生右腕の七原の耳にも届いていたが、「勉強がしっかりできてこその野球です」と本人は勉学優先を強調した。

 教育学部で学び、入学当初は教員志望だった七原。「とりあえず社会人で野球を続けようか…という段階」と進路には言葉少なだが、来年はドラフト候補に浮上するのは確実。早くから七原をマークする地元の社会人の強豪トヨタ自動車(愛知)はこの日、田中監督が秋田マネジャーを伴ってネット裏から視察する熱の入れようだが、プロとの争奪戦が始まりそうな予感がする。 (阿知波浩二)

愛知大学野球連盟選抜 000500102―8
中日2軍           000011000―2
本塁打 福田(中)

(2013年8月9日 中日スポーツ11面より)
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