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学生活動 2025.07.05
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豊根っ子を導くランナーズハイ 強豪・名城大長距離走選手と練習

名城大女子駅伝部員の先導で走る子どもたち=豊根村上黒川で
■自己ベスト続々愛知駅伝で最下位脱出狙う
昨年12月の第17回大会のテレビ中継で解説者を務めていた米田監督が、レース終了後に豊根村のテントを訪れ激励したところ、村側から指導の依頼を受け、合同練習会が実現した。
参加者は豊根小中学校のグラウンドに出て正しいフォームを確認しながらゆっくり走ってウオーミングアップ。その後、トラック半周を7割程度の力で走り、残り半周を歩いてスタート地点に戻ることを繰り返す「流し」をした。
本番は、小中学校の外周を約2周する1キロメートルの「ペーストライアル」。子どもたちは脚力に応じて1キロ6分から3分30秒まで30秒刻みのペースの6班に分かれ、選手の先導で1周してから2週目に全力を出してタイムを計測。沿道では家族らが「頑張って」と激励し、ゴール地点では米田監督が拍手で迎えた。
1週間前より9秒も記録を縮めた豊根中1年の生徒(12)は「苦しかったけれど、大学生のペースメーカーがうまく引っ張ってくれて自然にタイムが出た感じ。練習を頑張ってまた愛知駅伝で走りたい」とにっこり。女子駅伝部員で1年の長岡みさき選手(18)は「小学生と一緒に走るのは普段できない経験で楽しかった。豊根村では部活動の環境が厳しいと思うが、走ることを継続して陸上の楽しさを知ってほしい」と話した。
愛知駅伝での豊根村チームは2009年の第4回大会から町村の部で最下位が続いている。ただ、新型コロナウイルス禍を経て再開された直近の3大会では着実にタイムを縮めていて、上り調子だ。
村に移住してチョウザメ養殖をしている小早川武史さん(27)が監督として駅伝チームを指導し、自身も選手として出場。さらに、ランナーズクラブを設立し、村民64人が走ることを中心にさまざまなスポーツに挑んでいる。小早川さんは「多くの子どもたちに自己ベストが出た。普段の練習と違って大きな刺激が得られた」と喜んだ。
米田監督は「長距離走はきついけれど、走り終えた時の達成感が気持ちいい。1日5分でも10分でも毎日走り続けることが大切。今日の記録を指標として定期的にトライアルし、自分の成長を確認してほしい」と呼びかけた。
(2025年7月5日 中日新聞朝刊県内総合版より)