進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2013.01.18

タブレット端末 タッチして「元気です」 独居お年寄り 岡崎で社会実験開始

 若者に人気のタブレット端末を1人暮らしのお年寄りに無料で貸し出して安否確認につなげたり、回覧板代わりに使ってもらう社会実験が17日、愛知県岡崎市細川地区で始まった。

 名古屋工業大(名古屋市昭和区)を中心にした2カ月間の実験で、高齢者40人と民生委員ら60人が参加。画面の「元気です」「あまりよくありません」などの項目に触れるだけで送信され、民生委員が安否や健康状態を確認できる。住民の柵木千津子さん(83)は「家の中で倒れ、民生委員に助けられたことが2回あるので、頼りにできる」と話した。

 細川地区の人口は約1万人で、1人暮らしの高齢者は約150人。3年前には孤独死もあった。高齢化社会に対応したビジネスチャンスにつながる可能性があることから、最新の10インチ端末(縦18センチ、横26センチ、厚さ1センチ、重さ600グラム)100台を富士通が、ネット回線をNTTドコモが、それぞれ無償提供した。

 町内会の連絡などに使う「電子回覧板」画面では、ごみ収集日などの生活情報や、カラオケ祭りなど地元の行事情報が得られる。地元スーパーの協力で、タッチ操作で食料品などを宅配してもらえる「買い物支援」も実現。端末同士で使えるテレビ電話や脳トレーニング系のゲームもついている。

 経費がかさむなど課題はあるが、名工大コミュニティ創成教育研究センターの三矢勝司特任助教は「デジタルと人がうまく結び付くことで、地域のつながりをより深められれば」と期待している。

(2013年1月18日 中日新聞朝刊31面より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ