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2012.10.17
まぶしさ抑えたLED 秘密は紫外線 名大、名市大など開発
発光ダイオード(LED)照明の不快なまぶしさを抑える新技術を、名古屋大大学院工学研究科の沢博教授や名古屋市立大大学院システム自然科学研究科の青柳忍准教授らのグループが小糸製作所(東京)と共同で開発した。16日付の英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」電子版に発表した。
青と黄の光を混ぜると白い光ができることから現在の照明は青色に強く光るLEDと、その光を吸収して黄色い光を出す蛍光体でできている。
現在のLEDは強い光で人間にまぶしさを感じさせやすい。目の色素が薄く、まぶしさに弱いとされる欧米人の間で、LEDが広がりにくい要因ともいわれている。
このためグループは、目に見えない紫外線を出すLEDを使うことを発案。このLEDの周囲に紫外線を吸収すると青と黄に光る蛍光体を置き、白色の光を作りだした。
紫外線で青く光る蛍光体は既製品を利用。しかし黄色く光る蛍光体はなかったことから、貝殻や骨などに含まれる成分を材料に新たに考案した。
新技術で使われる紫外線は人体に影響のない種類。紫外線を強くすることで、照明全体の明るさは従来より明るくできる上、LED部分が強く光らないため、まぶしさは抑えられるという。
沢教授は「LEDは部分照明には良いが、室内全体を照らす照明にはまぶしすぎて適していなかった。LEDがより普及する可能性を示した研究結果」と説明している。
(2012年10月17日 中日新聞朝刊3面より)
青と黄の光を混ぜると白い光ができることから現在の照明は青色に強く光るLEDと、その光を吸収して黄色い光を出す蛍光体でできている。
現在のLEDは強い光で人間にまぶしさを感じさせやすい。目の色素が薄く、まぶしさに弱いとされる欧米人の間で、LEDが広がりにくい要因ともいわれている。
このためグループは、目に見えない紫外線を出すLEDを使うことを発案。このLEDの周囲に紫外線を吸収すると青と黄に光る蛍光体を置き、白色の光を作りだした。
紫外線で青く光る蛍光体は既製品を利用。しかし黄色く光る蛍光体はなかったことから、貝殻や骨などに含まれる成分を材料に新たに考案した。
新技術で使われる紫外線は人体に影響のない種類。紫外線を強くすることで、照明全体の明るさは従来より明るくできる上、LED部分が強く光らないため、まぶしさは抑えられるという。
沢教授は「LEDは部分照明には良いが、室内全体を照らす照明にはまぶしすぎて適していなかった。LEDがより普及する可能性を示した研究結果」と説明している。
(2012年10月17日 中日新聞朝刊3面より)