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イベント 2025.08.22
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主体的に課題解決 力養う学び 「PBL」取り組み紹介 名古屋でフォーラム

藤田医科大の「藤田PUSH」を紹介する戸崎さん(左)と、福来さん。胸骨圧迫とAEDの使用方法を短時間で学ぶことができるツール「あっぱくんライト」を紹介=名古屋・栄の中日ビルで
PBLは「Project-Based Learning(プロジェクトベース学習)」「Problem-Based Learning(問題ベース学習)」のアルファベットの頭文字に由来する。
基調講演では、20年以上のPBL支援経験を持つ東京電機大の広石英記副学長が、PBLの学びの構造や、国内外のPBL校の具体的な取り組みを紹介。「興味があるから深く知りたい」「困り事があるから解決したい」といった自発的な姿勢を大切にして学ぶのがPBLの特徴という。
人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)などで知識や情報、技術が目まぐるしく更新される現代では、柔軟な思考力に基づいた創造性や協調性が問われ、PBLの主体的な経験を通じて、これらのコンピテンシー(資質・能力)の成長が期待できると話した。
学生によるPBLの事例発表や、学生と企業の交流会もあった。藤田医科大(豊明市)医学部3年の戸崎翔太さん(21)と、保健衛生学部2年の福来愛理奈さん(19)は、胸骨圧迫と自動体外式除細動器(AED)の普及を通じて、突然倒れた人の命を誰もが救える地域づくりを目指す「藤田PUSH」の活動を紹介。小中学校や地域のイベントなどでも講習を行っているという。
PUSH認定インストラクターの資格を持つ戸崎さんは「小さい子どもからお年寄りまで、幅広い世代の方に分かりやすく伝えるスキルは、医療職にも重要な力。周りも巻き込み、自分たちの活動を広めていきたい」と話した。(伊藤聖笑)
(2025年8月22日 中日新聞朝刊県内総合版より)