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中日新聞掲載の大学記事

2010.10.19

中部大 携帯使い「双方向型授業」

■教授の質問→メール感覚で解答 一斉参加で学習意欲向上も

 教室で学生の意見を募る際に携帯電話のパケット通信を活用する「双方向対話型授業」が、春日井市松本町の中部大で始まり、18日に公開授業があった。普通なら講義中の携帯はご法度だが、同大は「多くの学生が一斉参加できる画期的な取り組み」とユニークな着想。この日も、大勢の前での発言を恥ずかしがる学生たちを「携帯効果」で授業に積極参加させた。 (谷知佳)

 双方向対話型授業は「魅力ある大学を目指す中での新たな手法」(同大の大学教育研究センター担当者)として9月末に始めた。もともと同大は2008年度から、授業評価や授業改善アンケートを学生からネットで集めていて、その発展型として授業にも本格導入した。

 同大によると、他大学では一部授業で携帯を試験的に使った例はあるようだが、大学を挙げた取り組みは全国的にも珍しい。自分の携帯を使い、メール感覚で操作できるシステムとした点でも画期的という。

 人文学部でのこの日の公開授業では、寺沢朝子教授(43)が「周囲の変化に気づかず、手遅れになる現象を何と言う?」と質問。答えを4項目の中から選ぶよう指示すると100人余の学生が慣れた手つきで一斉に携帯を「カチカチ」。ぬるま湯に安心しているとそのまま死んでしまう「ゆでガエル現象」が正答と聞いて「合ってた」などと周囲と顔を見合わせた。

 同学部コミュニケーション学科2年の星野礼佳さん(20)は「大勢の中で手を挙げるのは恥ずかしい。携帯を使うとみんなが参加できるし、意見が他の人たちと一緒だと安心する」と話す。

 同大は、携帯を使った授業が「他人の目を気にしすぎる」(教授陣)という昨今の学生気質に合い、授業参加や学習意欲向上に有効と手応えを感じていて、教える側と学ぶ側の距離を縮める効果にも期待している。

(写真)携帯電話で解答を入力する学生たち。大型スクリーンにはすぐさま集計結果が映し出された=春日井市松本町の中部大で

(2010年10月19日 中日新聞朝刊愛知総合版より)
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