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学生活動 2024.03.16
世代超えめくる 交流の一ページ 市営「一つ山荘」に絵本サロン
■天白区、来月 名城大生ら設計 空き室活用
一つ山荘東T-D棟1階の105号室。玄関ドアを開けると、間仕切りのように据え付けられた絵本の飾り棚が目に入ってきた。廊下や居間、和室へと棚が続き、読書できるテーブルや椅子も用意されている。押し入れを活用した隠れ家のようなスペースもあり、思い思いの過ごし方ができそうだ。
サロンとして活用する部屋の間取りは3DK。今回は1DKと廊下を改装した。「部屋を細分化することで、あちこちに居場所をつくり出すことを目指しました」。計画全体のリーダーを務めた修士1年、市原大輝さんが案内してくれた。2024年度中に残りの部屋と庭を整備するという。
戦後住宅政策の柱として高度成長期を支えた公共住宅団地。だが、近年は住民の高齢化や空き室の増加により、住民の社会的孤立などが課題になっている。
解決に向けて名城大と市は22年11月、市定住促進住宅の入居を促すモデル事業についての確認書を締結。事業の一環で、建築学科の谷田真准教授(52)の研究室の学生が、大学に近い一つ山荘での空き室活用を企画した。
学生らは、住民の生活を阻害しない形で若い世代を呼び込む策として絵本サロンを発案。利用する部屋は賃貸物件であるため、棚の設計や家具の設置は、容易に原状回復できるよう工夫した。
絵本は市天白図書館(同区)が180冊を提供し、順次入れ替える。4月からは週3日程度、日中に学生が交代で常駐して運営する。谷田准教授は「学生たちが設計だけでなく運営にも携わることで、作った物がどのような効果を生むか検証できる貴重な機会。学生も含めて若い世代を呼び入れることで、団地が何か変わるきっかけになれば」と期待している。
市営住宅では近年、名古屋学院大(熱田区)が「神戸荘」(同区)の空き店舗で交流スペースを開いたり、同朋大(中村区)が「万場荘」(中川区)で高齢の住民を対象に買い物を支援したりと、大学生による取り組みが広がっている。
(2024年3月16日 中日新聞朝刊市民版より)
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