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2010.08.04
緑で結び里山再生 愛知県と18大学協力 海上の森や東山舞台に
名古屋東部の丘陵地域で開発によって分断された里山を再生しようと、愛知県は丘陵付近の大学と協力し、動植物の生息地をつなげる事業に乗り出す。愛・地球博(愛知万博)の会場となった地域を舞台に分断された2つの森を緑でつなぎ、地域固有の生き物がいきづく回廊作りを目指す。
対象エリアは、万博会場となった同県瀬戸市の海上の森と、名古屋市東部の東山の森をつなぐ地域。2つの森の間には公園や池があり、里山の面影を残している。しかし県がトンボやカエルなどの在来種を調べると、生息適地が多く残るものの、公園や森との間が道路や宅地で隔てられ、広範囲の移動や繁殖が難しくなっていることが分かった。
このエリアには、計18もの大学や大学関連施設が点在。大学のキャンパスなど構内は比較的、緑が多く、さらに生き物に配慮した緑地づくりを進めてもらうことで、途切れた生息適地をつなぐ場所として役立てる。
構内の未整備地にビオトープを造ったり、木を植え替える際には、かつて里山に自生していた在来の樹木や草を選ぶように求めていく。また成果を分かりやすく紹介するため、希少種のギフチョウやハッチョウトンボを指標に選び、生息観察をしていく。
事業を進めるため、18の大学で構成する協議会を近く設置。愛知工業大の後藤泰之学長は「生態系の回復に貢献できるだけでなく、学内の都市環境を研究し、市民に紹介することもできる」と期待を寄せている。
(2010年8月4日 中日新聞朝刊1面より)
対象エリアは、万博会場となった同県瀬戸市の海上の森と、名古屋市東部の東山の森をつなぐ地域。2つの森の間には公園や池があり、里山の面影を残している。しかし県がトンボやカエルなどの在来種を調べると、生息適地が多く残るものの、公園や森との間が道路や宅地で隔てられ、広範囲の移動や繁殖が難しくなっていることが分かった。
このエリアには、計18もの大学や大学関連施設が点在。大学のキャンパスなど構内は比較的、緑が多く、さらに生き物に配慮した緑地づくりを進めてもらうことで、途切れた生息適地をつなぐ場所として役立てる。
構内の未整備地にビオトープを造ったり、木を植え替える際には、かつて里山に自生していた在来の樹木や草を選ぶように求めていく。また成果を分かりやすく紹介するため、希少種のギフチョウやハッチョウトンボを指標に選び、生息観察をしていく。
事業を進めるため、18の大学で構成する協議会を近く設置。愛知工業大の後藤泰之学長は「生態系の回復に貢献できるだけでなく、学内の都市環境を研究し、市民に紹介することもできる」と期待を寄せている。
(2010年8月4日 中日新聞朝刊1面より)