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お知らせ  2022.02.25

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SDGs 絵本で関心深めて 中部大生とホンダロジコム制作 来月販売 水質守るためできること伝える

伊藤市長(中)に絵本を手渡した本多社長(左)や中部大の学生ら

伊藤市長(中)に絵本を手渡した本多社長(左)や中部大の学生ら

 国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)に幼い頃から関心を持ってもらおうと、中部大学の学生と、SDGsに取り組む春日井市の物流会社「ホンダロジコム」が、産学連携でオリジナルの絵本を作った。タイトルは「じょろろんじょうろくん」。じょうろ形のゾウのキャラクターを主人公に、清潔な水を守るための環境問題をテーマにした。(小林大晃)

 物語の舞台は、水を浄化する力を持つ主人公、じょろろんじょうろくんが川の水質を保つ平和な村。そこに悪の親玉「ばいきん」が現れ、自分が住みやすいように川を汚そうと村の動物たちをそそのかす。1度は主人公の手に負えないほど汚れてしまうが、みんなで意識を変えて水質を取り戻し、ばいきんを追い出す。

 SDGsの17の目標には「安全な水とトイレを世界中に」がある。子どもにも分かりやすい勧善懲悪のストーリーにしつつ、川が汚れた場合のデメリットと、「食べ残しを出さない」「洗剤を使いすぎない」など普段の暮らしの中で気を付けるべきポイントを押さえている。

 絵本制作はホンダロジコムが事業の一環として企画した。中部大とは以前にも、同社が栽培を手掛けるキクラゲのPR動画作りなどで連携しており、今回も同社が声を掛けた。ストーリーと絵は、中部大人文学部コミュニケーション学科の柳谷啓子教授(64)のゼミ生が、複数のアイデアを提案。同社も監修の立場で選考に当たった。

 ゼミ生たちは発達支援に関する論文を読み込んだり、保育園で読み聞かせの様子を取材したりして、子どもにも分かりやすい内容を目指した。絵はプロのイラストレーターらの手も加わり、子どもたちの目を引くかわいらしい仕上がりに。

 実際に読み聞かせをした4年の野村さん(22)は「反応も良くて、じっと聞いて読んでくれた」と手応えを語る。絵を考案した3年の堀田さん(21)は「実は、ばいきんが1番人気なんです」と苦笑い。ホンダロジコムの本多敦社長は「親子に長く愛される絵本になれば」と期待する。

 3月1日から、全国約100カ所の書店の店頭に並ぶほか、通販サイト「楽天ブックス」でも販売される。春日井市にも100冊を寄贈し、市役所での贈呈式で学生らが伊藤太市長に手渡した。絵本は市内の保育園に置かれ、学生らが出向いて読み聞かせもする予定という。

 A5判23ページ、税込み1100円。(問)発行元の文芸社(東京)=03(5369)2299

(2022年2月25日 中日新聞朝刊近郊総合版より)

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