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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2019.10.30

妻や同僚に感謝 文化功労者 名大名誉教授 近藤孝男さん(71)

 「生物時計」という一生のテーマに出合ったのは、名古屋大4年だった約50年前。ほとんどの生き物に備わり、約24時間周期のリズムを刻む。「他の人がやっていなくて面白そうに見えた」と笑う。

 愛知県刈谷市出身。名大大学院を出た後、同県岡崎市の基礎生物学研究所に17年勤め、「万年助手」と呼ばれたことも。恵まれない時期もあったが「生物時計の研究は重要で面白いという信念は揺らがなかった」。

 転機は、ラン藻を材料に選んだこと。測定装置を自作し、遺伝子の発現リズムを網羅的に効率良く調べる方法を開発。母校の教授になると、時計遺伝子を突き止め、時計タンパク質とエネルギー源だけで生物時計を再現するなど本質に迫る成果を発表し続けた。

 約120人の学生を育て、研究科長も務めた。大病を乗り越え、今も生物時計のからくりの解明に迫る日々。「ラン藻が生物時計の秘密を見せてくれて、順調に仕事が進み幸運だった。ラボのメンバーや家内に感謝したい」 (芦原千晶)

(2019年10月30日 中日新聞朝刊25面より)

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