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中日新聞掲載の大学記事

学生活動  2019.05.08

LGBTに理解深めて 小学校低学年向けに紙芝居 関高と中部学院大、市が合作

紙芝居の脚本を制作した生徒たち=関市桜ケ丘の関高で

紙芝居の脚本を制作した生徒たち=関市桜ケ丘の関高で

 子どもたちに多様な生き方や性の在り方を知ってもらおうと、関市は関高校(桜ケ丘)、中部学院大(桐ケ丘)と連携して小学校低学年向けの紙芝居を制作した。心や服装、個性の自由をシンプルな言葉で伝えている。4月中に市内全19小学校に配布した。 (本間貴子)

 24日に関高で発表会があった。紙芝居は「いろいろってなんだろう」と題し、とある小学校が舞台。女の子が王子様を、男の子がお姫様を演じる劇がきっかけで好きな生き方を選ぶ子が増えるストーリー。スカートの男の子も髪が短い女の子も「みんなすごく似合ってるね」と生徒たちは力強く肯定した。

 関市は先進的に性的少数者(LGBT)の支援に取り組んでいて、2016年に性の多様性を認める「LGBTフレンドリー宣言」を発表し、啓発冊子作成や多目的トイレへの看板設置などを実行してきた。LGBT当事者は性の違和感や悩みを幼い時から感じているといい、子どもに向けた啓発を決めた。

 関高はスーパーグローバルハイスクール(SGH)の活動の一環でLGBTについて研究している。今回は3年生6人が1年かけて脚本を制作した。実際に当事者と話し合ったことで内容ががらりと変わったという。男子学生(17)は「無意識に男の子のスカートを『不思議だね』と表現したり、ランドセルを黒にしてしまったり。思い込みをリセットするのが大変だった」と振り返る。

 中部学院大4年生の山下由利加さん(21)はかわいらしい絵を手掛けた。色使いや服装など細部にまで気を配り「キャラクターの悩みと成長、変化に気付いてほしい」と話す。

 監修した同大の水野友有准教授は「現場でどう使われていくかが次の課題。引き続き研究に取り組んでほしい」と激励し、後藤さんは「1人1人の個性を認め合い、世の中にはいろんな人がいて違って当たり前ということを伝えたい」と期待を込めた。

(2019年5月8日 中日新聞朝刊朝刊中濃版面より)

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