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お知らせ  2019.03.28

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点字ブロック進歩 カメラ撮影、音声案内 新年度実用化目指す 金沢工大研究

視覚障害者らを支援する新たな点字ブロックの実用化を目指す松井くにお教授=白山市八束穂で

視覚障害者らを支援する新たな点字ブロックの実用化を目指す松井くにお教授=白山市八束穂で

 点字ブロックを小型カメラで読み取ると、道案内の音声を聞くことができる-。視覚障害者の安全な歩行を支援する研究を、金沢工業大(野々市市扇が丘)の松井くにお教授が進めている。2019年度中に野々市市の拠点避難所や金沢市の観光地周辺で実用化を目指す。(都沙羅)

 歩行者が身に着けた小型カメラで点字ブロックを撮影すると、携帯した小さな機械の人工知能(AI)が体の向きや立ち位置を分析し、無線でイヤホンを通して案内を聞く仕組み。ブロック上に塗った三角や丸の黒い印を画像認識し、3000万通り以上の案内音声をつくることができる。

 JR金沢駅などで1月から、視覚障害者や健常者、外国人を対象に運用実験を実施。参加者は「左方向にトイレ。手前が男性、奥が女性」などと音声案内を受け、「分かりやすい」「慣れが必要」と話していた。

 実験を踏まえ、今後は野々市市に10カ所ある拠点避難所や金沢市の主要観光地周辺での設置を検討する。健常者にも利用してもらうため、スマートフォンのカメラで点字ブロックを撮影すると道案内が表示されるアプリも作る。

 課題は「視覚障害者のかゆい所に届く音声案内のニーズが把握できていない」と松井教授。今後は障害者団体などの意見を聞き、歩行者支援に対応した点字ブロック設置を市や県に提案する。松井教授は「取り組みは始まったばかりだが研究を積み重ねて認知度を上げたい」と話している。

(2019年3月28日 北陸中日新聞朝刊金沢総合版より)

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