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スポーツ 2018.12.31
全日本大学女子選抜駅伝 名城大 初の2冠 立命大は3位

両手を広げて優勝のゴールテープを切る名城大アンカーの高松智美ムセンビ=静岡県富士市の富士総合運動公園陸上競技場で
名城大は4区の松浦佳南が区間賞の快走で首位に立ち、その後もリードを広げ、2位に1分29秒差でゴールした。
(1)名城大(青木、和田、加藤、松浦、加世田、玉城、高松)2時間22分50秒=大会新(2)大東大2時間24分19秒(3)立命大2時間25分22秒(4)全日本大学選抜2時間26分54秒(5)京産大2時間26分59秒(6)東農大2時間27分47秒
【区間1位記録】▽1区(4.1キロ) 佐野英里佳(全日本大学選抜)12分58秒 ▽2区(6.8キロ) 五島莉乃(全日本大学選抜)20分50秒=区間新 ▽3区(3.3キロ) 樺沢和佳奈(全日本大学選抜)10分17秒 ▽4区(4.4キロ) 松浦佳南(名城大)14分27秒 ▽5区(10.5キロ) 加世田梨花(名城大)関谷夏希(大東大)34分43秒 ▽6区(6キロ) 玉城かんな(名城大)19分46秒 ▽7区(8.3キロ) 鈴木優花(大東大)28分39秒=区間新
■失速教訓に初区間賞 2年加世田
入れ込みすぎて失速した前回大会から1年。手痛い失敗から教訓を得た名城大の2年生エース加世田梨花が、冷静にペースを刻んだ。各校の主力が集う最長10.5キロの5区を駆け、大学主要駅伝で初めての区間賞。大学初の2冠へ確かな道筋をつけた。
序盤の3区間で手堅く2位につけ、4区松浦が区間賞の快走で首位に立った。「みんなの頑張りが勢いにつながった」。ライバル大東大との差は1分16秒。無理に引き離さなくとも、この差を守れば十分に勝てる。最初の1キロこそ3分10秒を切るハイペースだったが、そこからは淡々と自分のリズムに徹した。
大学に入ってからどうしても勝てなかった大東大の関谷夏希と同タイムの区間賞。「区間賞は狙っていなかった」。殊勝な言葉に1年分の成長が見て取れた。
前回は同じ5区で区間賞獲得を公言しながら、序盤のオーバーペースがたたって勢いを失った。けがもあって自信が揺らいだところで、高松智美ムセンビら力のある1年生が見込み通り台頭。先輩として実力を示したい気持ちを胸にしまい、言い聞かせた。「後輩は意識しない。自分の役割を果たすだけ」。一つ大人になったエースの新境地だった。 (佐藤航)
(2018年12月31日 中日新聞朝刊18面より)