■女子フィギュアＳＰ

　バンクーバー冬季五輪・フィギュアスケート女子で金メダルを狙う浅田真央選手と韓国のキム・ヨナ選手が続いてショートプログラム（ＳＰ）で競演した２４日の昼休み、日本列島では中継するテレビを前に「真央ちゃん、金獲れるぞ」との声援があちこちから起こった。浅田選手が得意とするフリーは２６日（日本時間）。金選手は午後１時２１分から、浅田選手は同１時２９分から。熱い昼休みになりそうだ。

　フィギュアスケート女子代表、浅田真央、安藤美姫両選手が通う中京大豊田キャンパス（愛知県豊田市）では、同大スケート部員らが２４日、スケートリンクに設置された大型スクリーンの前で応援。ＳＰでの健闘を祈った。

　演技前は「真央、真央」「美姫、美姫」などとエール。浅田選手がトリプルアクセルを決めると、拍手がわき起こった。高得点の７３．７８が出た瞬間は「よし」「いける」などの掛け声が出た。

　続いて登場したライバルキム・ヨナ選手の高得点が表示されると、どよめきが上がったが、「大丈夫、大丈夫」「得意のフリーで逆転」との声も。

　部員で浅田選手と同級生の水津瑠美さん（１９）は「浅田選手はのびのびと楽しんでいた。金メダルを狙える」。整氷員の小原真さん（２９）は「フリーも完ぺきな演技で、笑顔をみせて」と話した。

　スケートリンクは両選手が普段練習に使っており、最近は、整氷の担当者が五輪本番のリンクと同じような状態になるよう調整を進めてきた。

　男子フィギュアで８位に入賞した同大の小塚崇彦選手からは違和感なく滑れたという情報が伝わっており、この日は、部員と一緒に整氷の担当者もスクリーンを通して現地の氷の状態を確かめるように見守った。

　東京・渋谷の家電量販店ではこの日、店頭のテレビは五輪中継一色。午後０時５０分には、両選手の演技時間を知っている買い物客だけではなく、昼休みのサラリーマンやＯＬたちで人だかり。浅田選手のトリプルアクセルの成功には「やったね」「金でしょう」など早くも金メダルを確信する声。続くキム・ヨナ選手の演技には、完璧なスケーティングに沈黙。自己の持つ歴代最高得点を上回る７８．５０が出ると、「う〜ん」「そんなに違うかな」など複雑な気持ちが入り交じった声がこぼれた。

　また、都内の電車やバスの中、公園などでは午後１時前に、あちこちで携帯電話などを取り出し、ワンセグ放送で中継を見る姿が目立った。

（写真）フィギュアスケートの浅田真央、安藤美姫両選手の母校中京大で、盛り上がるスケート部員（手前）ら＝愛知県豊田市で

（2010年2月25日　中日スポーツ22面より）