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中日新聞掲載の大学記事

2017.08.25

レスリング 世界選手権

 【パリ=共同】世界選手権第4日は24日、当地で女子4階級が行われ、60キロ級の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)、69キロ級の土性沙羅(東新住建)、48キロ級の須崎優衣(東京・安部学院高)、53キロ級の向田真優(至学館大)の4人がそろって決勝に進出し、銀メダル以上が確定した。

 日本勢は前日に非五輪階級の55キロ級で奥野春菜(至学館大)が金メダル、75キロ級で鈴木博恵(クリナップ)が銅メダルに輝いており、女子の全8階級のうち6階級でメダル獲得となった。

 非五輪階級の60キロ級で昨年のリオデジャネイロ五輪63キロ級金メダルの川井梨は4試合を勝ち、69キロ級でリオ五輪金メダルの土性は初戦の2回戦でフランス選手に辛勝し、その後2試合も勝った。

 48キロ級の須崎は3試合連続のテクニカルフォール勝ちで進出した準決勝で北朝鮮選手を下した。53キロ級で昨年の世界選手権55キロ級優勝の向田も4試合を勝った。

■「強い気持ち」攻め貫く 53キロ級 向田 銀以上確定

 危なげなく勝利を重ねた。53キロ級の向田は4試合を勝って決勝進出を果たし「自分が金メダルを取る。強い気持ちで闘いたい」と言い切った。

 「強い相手で逆に力が出た」という北朝鮮選手との初戦を制し、波に乗った。2回戦でテクニカルフォール勝ちし、3回戦と準決勝では終始リードを保ち、最後まで押し切った。「自分は最後に守ってしまうところがある。攻めきることが課題」と臨み、克服した姿を披露した。

 昨年は五輪で実施されない55キロ級で世界一。今年は吉田沙保里(至学館大職)が世界選手権で女王の座を守ってきた階級で挑む。「いつも『練習はしているのだから、自信を持って』と言っていただいている」と尊敬する偉大な先輩の言葉を胸に闘う20歳。後継者に名乗りを上げようとタイトルを狙う。(共同)

■快挙奥野「まだ」 18歳世界女王 続く挑戦 55キロ級

 【パリ=共同】23日に当地で行われた女子55キロ級で、初出場の18歳、奥野春菜(至学館大)が決勝でオドゥナヨフォラサデ・アデクロイエ(ナイジェリア)に5−4で競り勝ち、優勝を果たした。

 金メダルが決まると、あどけない顔を涙でくしゃくしゃにした。奥野は「優勝という結果を得られて、ほっとしている」。重圧から解放され、秘めていた感情が一気にほとばしった。

 4月のジュニアクイーンズカップで53キロ級代表の向田真優(至学館大)に敗れた翌日、栄和人監督から五輪で実施されない55キロ級への階級変更を打診された。「悔しかった」と言うが、すぐに気持ちを切り替えた。世界選手権代表選考会を兼ねた6月の全日本選抜選手権の前日、栄監督に無料通信アプリ「LINE」で決意を示した。「優勝して必ず世界に行きます」

 5−4で振り切った決勝以外はテクニカルフォール勝ちや無失点勝ちの試合内容。得意のタックルから畳み掛ける攻撃的なスタイルが光ったが、自己評価は辛口。世界女王となっても「今回は勝ちにこだわった。内容はまだまだ」と手放しでは喜ばない。

 目指すのは3年後の東京五輪。階級によっては、ともに三重県出身で大学の先輩の向田や尊敬する吉田沙保里(至学館大職)と代表を争う可能性がある。新星は「レベルの高いところでやり合い、自分もどんどん強くなる。挑戦し続けるだけ」と力を込めた。

(2017年8月25日 中日新聞朝刊22面より)
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