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中日新聞掲載の大学記事

2016.04.10

発がん性物質分解 環境浄化材を開発 富山の業者など

 産業用機械製造のスギノマシン(富山県魚津市)は金沢工業大(石川県野々市市)と共同で、建材などに使われる発がん性物質ホルムアルデヒドをカニ殻由来の微細な繊維(キトサンナノファイバー)で吸着分解させる環境浄化材を開発した。既製品の数百倍の吸着能力があり、効果が持続するという。建材や自動車内装材などのメーカーと協力して商品化し、2017年度から発売する。

 有害物質を吸着するアミノ基を多く持つジェル状のキトサンナノファイバーに、みそやしょうゆ醸造に使うこうじ菌か光触媒(二酸化チタン)を加えて作る。できた液体を壁や空気中に噴霧したり、乾燥させシートやスポンジ状にしたりすることで揮発性のホルムアルデヒドを吸着させ最終的には水と二酸化炭素(CO2)に分解する。

 ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因とされ、厚生労働省が基準値を設けるなど使用抑制が進むが、既製の浄化材は吸着効果が持続しなかった。20年度に1億円の売り上げを目指す。

(2016年4月10日 中日新聞朝刊福井第二総合版より)

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