昨秋の明治神宮大会に出場した愛大は、日本福祉大に延長の末、３−２でサヨナラ勝ちした。名城大は６−３で中部大に先勝した。

■延長１０回　東Ｖ打

　もう一度、全国の舞台に行きたい。その執念が乗り移ったライナーが右前に弾んだ。延長１０回１死満塁、サヨナラ打を放った愛大の東泰斗二塁手（３年）は「詰まった当たりだったけど、どうにかしたい気持ちがあそこまで持って行った」。笑顔の殊勲者は仲間たちにもみくちゃにされた。

　直前の９回も得点圏に走者を置きながら生かせなかった。嫌な流れ。振り払ったのは１０回の攻撃陣の粘りだ。２人が四球で出塁。さらに主将で指名打者の竹中周平（４年）が外角低めのボール球に食らい付き、左前打でつないだ。竹中は「以前ならそのまま負けていたかもしれない。今は、いつも以上に全員が全国大会を目指して、強い気持ちで臨んでいるから」と強調する。

　リーグ２位だった昨秋は、中部地区の代表決定戦を制して明治神宮大会に出場。初戦で早大に敗れたが、プロでも注目を浴びる重信（巨人）、茂木（楽天）を擁して全国制覇を遂げた強豪相手に、拮抗（きっこう）した試合を繰り広げた。

　「悔しかったけど、それ以上にトップクラスのチームといいゲームをしたことが、自信にも刺激にもなった」と竹中。主力メンバーがほとんど残った。今季こそリーグを制して全国へ。その気持ちで一つになっている。　（平野梓）

■浅川火消し成功　名城大

　名城大は４年生の右腕浅川の好リリーフで大量失点を免れた。８回１死満塁から先発・栗林の暴投で１点を奪われた直後に登板。カウントは２ボール１ストライクからだった。「雰囲気が悪かったからなんとかしたかった」と懸命に腕を振って見逃し三振。２死から後続に打たれたものの、１失点でしのいだ。

　昨春から救援専門で投げている。２年生エース栗林が注目されるが、「ほかにもいい投手がいることをアピールしたい」と意欲を込める。

（2016年4月10日　中日スポーツ10面より）