■偉大な先輩中日・浅尾から調整法教わる

　中京大が愛産大に４−０で連勝し、勝ち点１とした。日本福祉大は先発・千代洸樹投手（２年、野洲）がリーグ戦初完封し、１−０で名城大に雪辱。４日の３回戦に持ち込んだ。

■１点守り切る

　日本福祉大の千代が昨年とは生まれ変わった姿を見せた。右横手から伸びのあるボールを繰り出し、１点を守り切った。

　本領を発揮したのは８回。１死一、三塁で名城大の右の強打者・山口を迎えた。昨秋のリーグ戦で本塁打を打たれた苦い記憶があり、「無駄な球数を使わず早く切り上げてやる」と闘志を燃やした。２球で追い込むと、最後は外に逃げていくカットボールで空振り三振。指のかかりは完璧で狙ったコースに決まった。鮮やかな３球勝負で相手の勢いを断ち切った。

　昨春から主にリリーフで登板していたが、ボールがシュート回転するくせがあった。制球が定まらず、甘く入れば球威が無いため簡単に打たれてしまい、課題だった。

　転機は昨秋のリーグ戦の後。同大ＯＢで初のプロ選手である中日の浅尾が、練習場に訪れた時だった。偉大な先輩と対面するのは初めてだったが、気さくに会話に応じてくれた。その中で「調子が悪い時はネットスローをするといい」という話になった。

　ネットに向かって４、５メートルほどの距離からボールを投げる調整法で、浅尾自身も取り入れているという。千代も指のかかりを意識しながら練習で試してみると、うまくくせを改善できた。堀川東洋捕手（３年、至学館）も「前と全然違う。制球力が上がり、ボールがズバッといってて重たく感じた」と認める。

　昨年までのエース西川（現ＪＲ西日本）が卒業した。「今は自分１人で投げるぐらいの気持ちでやっている」と千代。その強い覚悟が、成長を後押しした。　（平野梓）

■前畑が初本塁打　中京大　スタメン起用に答えた

　この開幕週に初めて先発メンバーで起用された中京大の前畑が９回２死一、二塁、右越えに３ランを放って試合を決めた。リーグ戦で自身初の本塁打に、「とにかく強い打球を打とうと意識した。きょうは落ち着いてボールがよく見えていた」と手応えを語った。守備位置の三塁手はほかの選手との競争が激しく「一打席一打席を勝負と思って、思い切り振りたい」と意気込む。

▽２回戦（１勝１敗）
名城大　０００００００００―０
日福大　００００１０００ｘ―１

▽２回戦（中京大２勝）
中京大　０００１００００３―４
愛産大　０００００００００―０
本塁打前畑（京）

（2016年4月4日　中日スポーツ12面より）