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中日新聞掲載の大学記事

2015.08.15

ロボカップ世界一輝く 災害救助の仕組み 伊藤・愛工大教授らのチーム

 ロボットの精度や人工知能のプログラムを競う「ロボカップ世界大会2015」のレスキューシミュレーションリーグ・インフラ部門で、愛知工業大(豊田市八草町)の伊藤暢浩教授(44)ら5人のチームが世界一に輝いた。(作山哲平)

 チームは伊藤教授と愛工大、名古屋工業大の学生らでつくる「NAITO Rescue」。

 ロボカップは1997年に名古屋市で始まった。2050年までにサッカー競技で、人工知能を持つ人型ロボットが人間のチームに勝つことを目指し、世界40カ国以上の約300チームが研究を進めている。サッカー競技に特化していたが、培った技術を災害救助に役立てようと01年からレスキューの分野が加わった。

 シミュレーションリーグは、都市型災害の発生を想定し、被災者をいかに早く救助するかなどをコンピューター上で競う。インフラ部門はシミュレーションの仕組みを競う。

 伊藤教授のチームは7月に中国であった大会で、プログラムに必要な多岐にわたる情報を5要素に簡略化し、より多くの人がリーグに参加できるような仕組みを提案。将来の発展性などが評価され、イランなど出場3チームの頂点に立った。

 伊藤教授によると、シミュレーションリーグの参加者はまだ少なく、仕組みの難しさが影響していた。この提案により災害救助を専門としないチームもこの競技に参加できる可能性が生じるという。

 愛工大修士課程1年の高柳和央さん(23)は「世界の研究者に使ってもらい、災害救助の研究が進み、東海地震の備えになれば」と期待した。

(2015年8月15日 中日新聞朝刊豊田版より)

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