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2014.03.08
遺伝子 動物間で取り込み 三重大准教授 マダニ調べ初証明
節足動物で動物の血を吸うマダニの1種が、本来脊椎動物しかないはずのホルモンを持っていることを、三重大の岩永史朗准教授(医動物・感染医学)が遺伝子構造の解明で突き止めた。進化の過程で、吸血によってホルモンの遺伝子を獲得したとみられる。
岩永准教授は「遺伝子が体外から取り込まれる水平伝播(でんぱ)が、動物間であったことを世界で初めて証明した」と話している。単細胞の細菌間で遺伝子の水平伝播が確認された例があるが、動物間ではなかった。
アフリカにすむオルニソドロス属のマダニの唾液腺を調べ、ほ乳類などの脊椎動物特有のホルモンを確認した。血管を広げる働きがあり、寄生してこのホルモンを注入することで、血を吸いやすくしている。脊椎動物のホルモンの遺伝子構造とほぼ一致していた。
マダニの種類の分化とホルモンの有無の関係から、2億3400万年前の三畳紀から9400万年前の白亜紀の間に、恐竜か爬虫(はちゅう)類の血を吸ったと推測。赤血球内のホルモンの遺伝子を摂取し、産卵を通して子孫に代々、遺伝子が引き継がれたとみられる。研究は2月下旬、英国の科学誌の電子版に掲載された。
基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の重信秀治・生物機能解析センター特任准教授は「多細胞動物同士の水平伝播はほとんど起きないと考えられてきた。進化学、ゲノム学にとってインパクトのある発見だ」とコメントした。
(2014年3月8日 中日新聞朝刊3面より)
岩永准教授は「遺伝子が体外から取り込まれる水平伝播(でんぱ)が、動物間であったことを世界で初めて証明した」と話している。単細胞の細菌間で遺伝子の水平伝播が確認された例があるが、動物間ではなかった。
アフリカにすむオルニソドロス属のマダニの唾液腺を調べ、ほ乳類などの脊椎動物特有のホルモンを確認した。血管を広げる働きがあり、寄生してこのホルモンを注入することで、血を吸いやすくしている。脊椎動物のホルモンの遺伝子構造とほぼ一致していた。
マダニの種類の分化とホルモンの有無の関係から、2億3400万年前の三畳紀から9400万年前の白亜紀の間に、恐竜か爬虫(はちゅう)類の血を吸ったと推測。赤血球内のホルモンの遺伝子を摂取し、産卵を通して子孫に代々、遺伝子が引き継がれたとみられる。研究は2月下旬、英国の科学誌の電子版に掲載された。
基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の重信秀治・生物機能解析センター特任准教授は「多細胞動物同士の水平伝播はほとんど起きないと考えられてきた。進化学、ゲノム学にとってインパクトのある発見だ」とコメントした。
(2014年3月8日 中日新聞朝刊3面より)