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中日新聞掲載の大学記事

2014.02.09

民政移管進むミャンマー 名大で意見交換 憲法裁判所長官が解説

 軍政から民政移管が進むミャンマーのミャ・テイン憲法裁判所長官(64)らが8日、名古屋市千種区の名古屋大で開かれた日本のアジア法学者との意見交換会に出席した。昨年、ミャンマーに日本法律研究センターを設置した名大との交流の一環。ミャンマーの憲法や裁判所の役割を解説した後、質疑が行われた。

 日本側は憲法裁判所の審理対象や手続き、過去の判例について質問。テイン長官は「行政、立法、司法の機関から申し立てのあった法律の違憲審査が憲法裁の役割。判決の効力をいかに担保するか、議論が続いている」と現状を説明した。

 ミャンマーは2008年に制定した新憲法に基づき、11年3月に憲法裁を設置。長官は副大統領と同格とされ、テイン長官は12年に就任した。

 意見交換会の後、取材に応じたテイン長官は「民主化には『法の支配』の確立が必要。国民の意識も高まりつつある」と指摘。経済発展に法整備が追いついていない現状には「法律家の養成が急務。名古屋大のサポートはありがたい」と述べた。

 ミャンマーの憲法では、連邦議会の4分の1の議席を軍人に配分。外国籍の子どもがいると大統領に立候補できない条項もあり、野党・国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏の立候補を妨げている。国際社会の批判もあるが、テイン長官は「現時点で必要だから条項に盛り込まれている。今後、国民の意見を反映していく」と語った。 (北島忠輔)

(2014年2月9日 中日新聞朝刊県内版より)
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