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中日新聞掲載の大学記事

2013.08.16

患者の栄養管理徹底を 藤田保健衛生大・東口教授が講演 尾鷲

 患者の栄養管理研究の第一人者として知られる藤田保健衛生大医学部の東口高志教授(56)の講演が15日、尾鷲市上野町の尾鷲総合病院であり、医師や看護師、管理栄養士ら30人が聞き入った。

 東口教授は、医師や栄養士などが一丸となって患者の栄養摂取方法などを管理・改善する栄養サポートチーム(NST)を国内の各病院に普及させたことで知られる。現在は津市大鳥町の藤田保健衛生大七栗(ななくり)サナトリウムで、末期がん患者の栄養管理や緩和ケアに携わっている。

 東口教授は「多くの病院では栄養管理の体制が整っていないので退院後、栄養不足から病気になる患者が後を絶たない」と指摘。栄養管理の不徹底が、高齢者の医療費負担を招き、家計も圧迫していると述べた。

 その上で、医療機関や老人福祉施設、介護サービス業者などが一体となった「地域一体型NST」の設置を提言。患者の情報を医療機関と介護サービス業者が共有することで、在宅でも正しい栄養管理が受けられる制度作りの必要性を訴えた。

 脳卒中の患者のリハビリの方法にも触れ、「栄養管理があって初めてリハビリの効果がある。リハビリをして代謝が上がっているのに点滴だけでの栄養では、かえって逆効果。口から栄養を取らせる必要がある」とアドバイスした。(宮崎正嗣)

(2013年8月16日 中日新聞朝刊くろしお版より)
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