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中日新聞掲載の大学記事

2013.08.08

私大 就活支援手応え 大卒就職率67.3%に回復

■名城大など ブラック企業対策も

 7日公表された学校基本調査によると、この春、大学を卒業した人の就職率は67.3%。数字上は、2008年秋のリーマン・ショック前の68.4%まであと一歩のところまで回復した。

 「この1、2年は目に見えて求人が増えた。採用を控えていた企業が動きだした印象だ」。愛知大の滝口博元・名古屋キャリア支援課長は手応えを話す。

 特にスーパーやドラッグストアなどの小売りチェーンや介護サービスなどの会社で採用が増加。「将来の幹部候補に」と大卒者の採用に乗り出す中小企業も出始めた。

 大卒の就職は米投資銀行が破綻したリーマン・ショックの後、氷河期に。10年公表の就職率は60.8%で前年比8ポイント近く落ちた。

 学生の確保が課題の私大にとって就職実績は大きな「看板」。各大学ともきめ細かい支援で、学生の就職率アップに力を入れてきた。面接が苦手な学生向けの講座や、東京や大阪などで就職試験を受ける学生への交通費補助が成果を上げている。

 最近の課題は、サービス残業の常態化などの問題が指摘されている「ブラック企業」対策。名城大の担当者は「学生から相談を受ければ、内定辞退の強要や法律違反を指摘された事例のほか、離職率や育休制度の取得状況などの公表事項を知らせ被害を減らす努力をしている」と話す。

 しかし、非正規雇用などの就職先が不安定なケースや就職できない学生は大卒者全体の2割もいる。数字上の就職率が上がっても、定職を求める学生にとって状況が好転したとは言えない情勢が続いている。

(2013年8月8日 中日新聞朝刊2面より)
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