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2013.06.21
名大との交流 教育の質高く モンゴル科技大学長に聞く
名古屋大(名古屋市千種区)が、2011年6月にモンゴル科学技術大と将来のレアアース確保や人材育成の包括協定を結んで2年。両大学間を研究者や学生が行き来し、交流は深まってきている。2年を機に名大を訪れたモンゴル科技大のバトバイヤル・ツデブ学長(55)に、これまでの協定の成果や今後の課題などを聞いた。(聞き手・中村禎一郎、柚木まり)
−名大との提携の成果は?
モンゴルでは、鉱山開発に伴う環境汚染が問題化しつつある。環境にどう影響があるのかを科学的に理解することが大切になっている。名大は、首都ウランバートルの大気汚染を調査している。われわれにとっても大変重要なことだ。
モンゴルが発展していくには、国際的に認められる人材が不可欠。名大は、鉱物資源の調査をするフィールドリサーチセンターをモンゴル科技大内に創設し、私たちの人材育成に協力している。
これにより、研究者や学生の教育の質が以前よりも高くなってきた。交流が進むことで、モンゴル側の研究者が日本の文化や歴史に触れる機会も増え、親近感を持つようになっている。
−日本や名古屋の印象はどうか。
名大に来たのは3回目。毎回、日本の自然の美しさが好きだが、もっと心を動かされるのは市民が一生懸命に働くところだ。
日本は津波や台風といった自然災害の被害を受けやすい国だが、それに負けないで立ち向かい、現在の社会を築いてきた。モンゴル人としては、こういう姿を見習っていきたい。
1990年より前、モンゴルは社会主義国だった。留学先といえばソ連。私もモスクワに留学したが、もし若いころに可能な状況だったら日本に留学したかった。
−将来への期待は?
交流はさらに拡大するはずだ。名大との間で今後も大きな共同研究、教育プロジェクトが計画されている。モンゴルの将来を担う若者のためのプロジェクト。成果が今から楽しみだ。
モンゴルの家族は子どもに高い教育を受けさせることを一番大事にしている。その中で日本で教育を受けたい人も増えていて、アジアの中では日本への留学者が最も多い。
逆に日本からモンゴルに来る人たちには、モンゴル人は「おもてなし」が好きだと伝えたい。広大な草原があり、遊牧民が暮らしている。そうした中から、日本では気付かない何かを気付く機会になるかもしれない。
■名古屋大とモンゴル
名大は、モンゴルで鉱物資源や環境汚染を調査する「フィールドリサーチセンター」と、法律家を養成する「日本法教育研究センター」を設置。スタッフを常駐させ、文理両面でモンゴルの現地人材育成に尽力している。モンゴル側には、日本の科学技術を応用して環境に配慮した鉱物開発や、未発達の法体系を整備したい目的がある。名大にとっても、これらを通じてモンゴルの将来を担う「親日本」「親名大」の優秀な人材を育てる狙いがある。
(2013年6月21日 中日新聞朝刊県内総合版より)
−名大との提携の成果は?
モンゴルでは、鉱山開発に伴う環境汚染が問題化しつつある。環境にどう影響があるのかを科学的に理解することが大切になっている。名大は、首都ウランバートルの大気汚染を調査している。われわれにとっても大変重要なことだ。
モンゴルが発展していくには、国際的に認められる人材が不可欠。名大は、鉱物資源の調査をするフィールドリサーチセンターをモンゴル科技大内に創設し、私たちの人材育成に協力している。
これにより、研究者や学生の教育の質が以前よりも高くなってきた。交流が進むことで、モンゴル側の研究者が日本の文化や歴史に触れる機会も増え、親近感を持つようになっている。
−日本や名古屋の印象はどうか。
名大に来たのは3回目。毎回、日本の自然の美しさが好きだが、もっと心を動かされるのは市民が一生懸命に働くところだ。
日本は津波や台風といった自然災害の被害を受けやすい国だが、それに負けないで立ち向かい、現在の社会を築いてきた。モンゴル人としては、こういう姿を見習っていきたい。
1990年より前、モンゴルは社会主義国だった。留学先といえばソ連。私もモスクワに留学したが、もし若いころに可能な状況だったら日本に留学したかった。
−将来への期待は?
交流はさらに拡大するはずだ。名大との間で今後も大きな共同研究、教育プロジェクトが計画されている。モンゴルの将来を担う若者のためのプロジェクト。成果が今から楽しみだ。
モンゴルの家族は子どもに高い教育を受けさせることを一番大事にしている。その中で日本で教育を受けたい人も増えていて、アジアの中では日本への留学者が最も多い。
逆に日本からモンゴルに来る人たちには、モンゴル人は「おもてなし」が好きだと伝えたい。広大な草原があり、遊牧民が暮らしている。そうした中から、日本では気付かない何かを気付く機会になるかもしれない。
■名古屋大とモンゴル
名大は、モンゴルで鉱物資源や環境汚染を調査する「フィールドリサーチセンター」と、法律家を養成する「日本法教育研究センター」を設置。スタッフを常駐させ、文理両面でモンゴルの現地人材育成に尽力している。モンゴル側には、日本の科学技術を応用して環境に配慮した鉱物開発や、未発達の法体系を整備したい目的がある。名大にとっても、これらを通じてモンゴルの将来を担う「親日本」「親名大」の優秀な人材を育てる狙いがある。
(2013年6月21日 中日新聞朝刊県内総合版より)