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中日新聞掲載の大学記事

2013.01.22

浜岡の津波 模型で検証 南海トラフ級想定 中電と名大

 中部電力は21日、浜岡原発(静岡県御前崎市)に津波が押し寄せて防潮堤を越えた場合、海水が敷地内にどのように流入するか模型を使って調べる実験を、名古屋大(名古屋市)で報道関係者に公開した。

 流入する津波の水深や威力などを調べ、原子炉建屋などの設備に与える影響を検証するのが狙い。実験は防潮堤や津波の高さなどの条件を変えて昨年10月から続けてきた。今秋をめどに結果を取りまとめ、現行の津波対策に不備がないかを確認する。

 津波を再現できる長さ28メートル、幅11メートルの水槽に、浜岡原発の建屋やタンク、防潮堤などを実物の150分の1に縮めた模型を設置。この日は防潮堤を現行の海抜18メートルと、かさ上げ後の22メートルの2種類の高さに設定し、南海トラフの巨大地震で想定される19メートル程度の津波が押し寄せた場合の影響などを比較した。

 共同研究している名古屋大大学院の水谷法美(のりみ)教授(海岸工学)は「陸上に入ってきた津波が構造物にどういう影響を与えるのか、まだよく分かっていない。実験や数値計算をして検証していくことが不可欠だ」と話した。

(2013年1月22日 中日新聞朝刊29面より)

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