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2012.04.23
大学野球リーグ 日本福祉大・西 竜の新人・田島に続け“愛知2部の星”
■沖永良部島からやってきた剛球左腕が力投
中日・浅尾の母校である日本福祉大に現れた剛球左腕・西光大投手(4年・沖永良部)が力投した。22日、愛知県豊田市の中京大グラウンドで行われた愛知大学野球2部リーグで、西は星城大相手の2回戦で先発し、7イニング1失点で今季初勝利を挙げた。同2部から巣立って、東海学園大から中日に今季入団した田島が活躍しているが、西は田島に続く可能性のある剛腕。“愛知2部の星”に注目だ。
雨中戦のなかで、暴れ馬のようなマウンド。四死球の乱発で走者を背負ってから、「力」でピンチを断ち切る。ハラハラドキドキさせながら、日本福祉大の左腕・西は7イニング3安打1失点で勝利投手をゲットした。
■課題は制球力・・・
「粘って投げるのがボクの持ち味。でも四死球はもっと減らさないといけませんね」と小さく笑った。先週の至学館大相手の3回戦では2イニングで8四球と乱調。それでも、この日また先発の機会をもらい、7三振を奪う一方で7四死球。成田経秋監督代行(43)は「コントロールには課題はあるが、素材はいい。これから伸びる力がある」と話す。日本福祉大時代の浅尾を指導し、原石を発掘した人が、西の将来性を買っているのだ。
■スカウト陣注目
昨秋のドラフト直前、東海学園大の田島目当てにプロのスカウト陣が愛知2部リーグを視察した時のことだ。スピードガンを構えると、145〜146キロの田島と投げ合った西が最速143キロを計測したのだ。「タマの切れがよかったし、追いかけてみたい左腕だと・・・」とDeNA・大久保スカウト。この日は巨人・藤本スカウトとともに、ネット裏から西の投球を見守った。
奄美群島の南西部に位置する沖永良部島(おきのえらぶじま)で育った。島に高校は、西の出身校である沖永良部高しかない。練習試合で交流する相手もなく、紅白戦で力を磨いた。実家は真っ白に咲くエラブユリなど花の栽培農家。「家業を継ぐ?それより野球を続けたい」と西はプロ志望。貴重な左腕だからドラフト候補になる可能性はあるが、投手にとっては“生命線”である制球力をもう少し良くしないといけない。 (阿知波浩二)
▼西光大(にし・こうだい) 1990(平成2)年6月30日、鹿児島県和泊町生まれの21歳。175センチ、75キロ、左投げ左打ち。和泊中軟式野球部では投手兼一塁手。沖永良部高では主戦投手となった2年秋に鹿児島県大会ベスト16入り。日本福祉大では1年春からリーグ戦で登板し、昨春から中軸投手。愛知大学2部リーグで通算12勝。5人きょうだいの末弟。
▽2回戦(1勝1敗)
日本福祉大 100400000―5
星城大 000010003―4
(2012年4月23日 中日スポーツ10面より)
中日・浅尾の母校である日本福祉大に現れた剛球左腕・西光大投手(4年・沖永良部)が力投した。22日、愛知県豊田市の中京大グラウンドで行われた愛知大学野球2部リーグで、西は星城大相手の2回戦で先発し、7イニング1失点で今季初勝利を挙げた。同2部から巣立って、東海学園大から中日に今季入団した田島が活躍しているが、西は田島に続く可能性のある剛腕。“愛知2部の星”に注目だ。
雨中戦のなかで、暴れ馬のようなマウンド。四死球の乱発で走者を背負ってから、「力」でピンチを断ち切る。ハラハラドキドキさせながら、日本福祉大の左腕・西は7イニング3安打1失点で勝利投手をゲットした。
■課題は制球力・・・
「粘って投げるのがボクの持ち味。でも四死球はもっと減らさないといけませんね」と小さく笑った。先週の至学館大相手の3回戦では2イニングで8四球と乱調。それでも、この日また先発の機会をもらい、7三振を奪う一方で7四死球。成田経秋監督代行(43)は「コントロールには課題はあるが、素材はいい。これから伸びる力がある」と話す。日本福祉大時代の浅尾を指導し、原石を発掘した人が、西の将来性を買っているのだ。
■スカウト陣注目
昨秋のドラフト直前、東海学園大の田島目当てにプロのスカウト陣が愛知2部リーグを視察した時のことだ。スピードガンを構えると、145〜146キロの田島と投げ合った西が最速143キロを計測したのだ。「タマの切れがよかったし、追いかけてみたい左腕だと・・・」とDeNA・大久保スカウト。この日は巨人・藤本スカウトとともに、ネット裏から西の投球を見守った。
奄美群島の南西部に位置する沖永良部島(おきのえらぶじま)で育った。島に高校は、西の出身校である沖永良部高しかない。練習試合で交流する相手もなく、紅白戦で力を磨いた。実家は真っ白に咲くエラブユリなど花の栽培農家。「家業を継ぐ?それより野球を続けたい」と西はプロ志望。貴重な左腕だからドラフト候補になる可能性はあるが、投手にとっては“生命線”である制球力をもう少し良くしないといけない。 (阿知波浩二)
▼西光大(にし・こうだい) 1990(平成2)年6月30日、鹿児島県和泊町生まれの21歳。175センチ、75キロ、左投げ左打ち。和泊中軟式野球部では投手兼一塁手。沖永良部高では主戦投手となった2年秋に鹿児島県大会ベスト16入り。日本福祉大では1年春からリーグ戦で登板し、昨春から中軸投手。愛知大学2部リーグで通算12勝。5人きょうだいの末弟。
▽2回戦(1勝1敗)
日本福祉大 100400000―5
星城大 000010003―4
(2012年4月23日 中日スポーツ10面より)