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2012.03.17
学びの夢諦めないで 62歳で愛知学泉大卒業 岡崎の日下部さん
■家政学部最高齢 中・高の教員免許取る
岡崎市小針町の日下部3枝子さん(62)が16日、同市高隆寺町の岡崎中央総合公園であった愛知学泉大家政学部の卒業式を迎えた。同学部ではこれまでの最高齢学生で、学部長賞を受賞。卒業証書を手に「大学で学ぶ夢を諦めなくてよかった」と晴れやかな表情で話した。(嶋村光希子)
樽(たる)や桶(おけ)を作る職人の家庭で、9人兄弟の7番目に生まれた。働きながら夜間高校を卒業後、大学進学を希望するも断念。経済的理由に加え、父から「女性が教養を身に付けても」と反対された。
紡績会社に就職し、結婚。3人の娘の出産、子育てが一段落付いたころ、がんが見つかった。2度の手術を終えると「人生には限りがある。自分のために生きなきゃ」と、大学進学を決意した。
大学では中学校と高校の家庭科の教員免許を取り、卒業論文は食育を研究。2つの書道教室で小中学生を指導しながらの多忙な通学に「子どもたちの手本になりたかったからこそ頑張れた。指導してくれた教授や支えてくれた家族。みんなに感謝でいっぱい」と振り返る。
夢は女性が出産後も安心して働けるサポートの仕組みをつくること。「生涯ずっと勉強する。思い続ければ夢はかなうので、学びたい気持ちがある人は諦めないでほしい」と話した。
(2012年3月17日 中日新聞朝刊西三河版より)
岡崎市小針町の日下部3枝子さん(62)が16日、同市高隆寺町の岡崎中央総合公園であった愛知学泉大家政学部の卒業式を迎えた。同学部ではこれまでの最高齢学生で、学部長賞を受賞。卒業証書を手に「大学で学ぶ夢を諦めなくてよかった」と晴れやかな表情で話した。(嶋村光希子)
樽(たる)や桶(おけ)を作る職人の家庭で、9人兄弟の7番目に生まれた。働きながら夜間高校を卒業後、大学進学を希望するも断念。経済的理由に加え、父から「女性が教養を身に付けても」と反対された。
紡績会社に就職し、結婚。3人の娘の出産、子育てが一段落付いたころ、がんが見つかった。2度の手術を終えると「人生には限りがある。自分のために生きなきゃ」と、大学進学を決意した。
大学では中学校と高校の家庭科の教員免許を取り、卒業論文は食育を研究。2つの書道教室で小中学生を指導しながらの多忙な通学に「子どもたちの手本になりたかったからこそ頑張れた。指導してくれた教授や支えてくれた家族。みんなに感謝でいっぱい」と振り返る。
夢は女性が出産後も安心して働けるサポートの仕組みをつくること。「生涯ずっと勉強する。思い続ければ夢はかなうので、学びたい気持ちがある人は諦めないでほしい」と話した。
(2012年3月17日 中日新聞朝刊西三河版より)