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2012.03.19
ブラックホールの吐息? 名大院教授ら 銀河系初確認
■二重らせん星雲 正体はちり噴出
遺伝子のような形を持つ「二重らせん星雲」が、地球が属する銀河の中心にあるブラックホールから噴き出したジェット(噴流)の残骸であることを、名古屋大大学院理学研究科の福井康雄教授らのグループが突き止めた。銀河系でブラックホールのジェットが確認されたのは初めて。龍谷大(京都市)で19日から始まる日本天文学会で発表する。
グループは南米チリのアタカマ高地に設置している電波望遠鏡「NANTEN2」で、3万光年先にある二重らせん星雲を観測。二重らせん星雲周辺にある一酸化炭素分子の塊が銀河系中心部のブラックホールとつながっていることを発見した。
二重らせん星雲は岩や砂など宇宙の「ちり」で構成されており、ブラックホールから300光年のところにある。今回の発見は、岩や砂などが一酸化炭素分子とともにブラックホールから噴出したことを証明したことになる。
ブラックホールは物をのみ込む際、周辺に漂う物質を噴き上げることが知られている。太陽系が属する銀河以外ではすでに、ジェットが見つかっている。福井教授は「われわれの銀河系でもブラックホールが活発に活動したことを示せた」と話している。
(2012年3月19日 中日新聞朝刊30面より)
遺伝子のような形を持つ「二重らせん星雲」が、地球が属する銀河の中心にあるブラックホールから噴き出したジェット(噴流)の残骸であることを、名古屋大大学院理学研究科の福井康雄教授らのグループが突き止めた。銀河系でブラックホールのジェットが確認されたのは初めて。龍谷大(京都市)で19日から始まる日本天文学会で発表する。
グループは南米チリのアタカマ高地に設置している電波望遠鏡「NANTEN2」で、3万光年先にある二重らせん星雲を観測。二重らせん星雲周辺にある一酸化炭素分子の塊が銀河系中心部のブラックホールとつながっていることを発見した。
二重らせん星雲は岩や砂など宇宙の「ちり」で構成されており、ブラックホールから300光年のところにある。今回の発見は、岩や砂などが一酸化炭素分子とともにブラックホールから噴出したことを証明したことになる。
ブラックホールは物をのみ込む際、周辺に漂う物質を噴き上げることが知られている。太陽系が属する銀河以外ではすでに、ジェットが見つかっている。福井教授は「われわれの銀河系でもブラックホールが活発に活動したことを示せた」と話している。
(2012年3月19日 中日新聞朝刊30面より)