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中日新聞掲載の大学記事

2012.02.24

愛知大学野球1部6校 新入部員チェック

■広島の育成入団断り愛工大へ 村山 リーグの看板打者になる

 春はフレッシュマンの季節。愛知大学野球1部リーグ6校には計130人を超える新入部予定の選手がいる。その中で注目は愛工大名電高(愛知)から愛工大に進学する村山賢輔外野手(18)。リーグの「宝」になる右のスラッガー候補だ。広島から育成選手での誘いを蹴って、4年後はドラフト上位指名でのプロ入りを目指す。 (阿知波浩二)

■愛工大名電出身 遠投110メートル 50メートル走5秒9 高校通算35本塁打

 愛知大学野球の“超新星”になるかもしれない。村山は181センチ、83キロとがっちりした体。強肩俊足が光る。遠投110メートル、50メートルは5秒9で駆ける。愛工大・奥田好弘監督(47)は「久々の野手の逸材。リーグの看板打者に育てるためにも、この春から試合に使って経験を積ませたい」と大きな期待を懸ける。最近の愛知リーグは浅尾(日本福祉大−現中日)を筆頭に、東海学園大から今季中日入りの田島ら快腕は数多くプロに送り出しているが、野手はやや見劣りするのが現状。右のスラッガー・村山が地元大学リーグに残ったのは大歓迎である。

 昨夏までは進路はプロ一本に絞っていた。しかし、春に右太もも肉離れ、夏の愛知大会直前に股関節を痛めるなど故障が相次ぎ、スライダーをやや苦手にしていたこともあって、プロ側の評価は上がらない。最後までドラフト有力候補としてリストアップしていた広島も秋になって育成選手指名にトーンダウン。愛工大名電高・倉野光生監督(53)からは「ケガを繰り返すような体ではプロでは通用しない」とアドバイスを受け、迷った末に広島に対して育成での入団を断った。

 しかし、関東の有力大学へのスポーツ推薦入学は既に締め切られていた。進路が宙に浮いてしまった高校通算35本塁打の大砲に、勧誘の手を伸ばしたのが系列の愛工大だった。

 「監督さん(奥田監督)はボクが高校に入学したころから注目してくれていたというし、大学で実力をつけて、4年後にはドラフト上位で指名されるような選手になってみせる」と村山は決意した。

 愛工大名電の低迷期と重なったことから、高校3年間は甲子園未出場。主将として臨んだ最後の夏の愛知大会は決勝で伏兵の至学館に逆転負けした。「悔しいことばかり…。大学ではあんな思いはしたくない」と全国大会出場にこだわる。

 高校では遊撃手でスタートし、三塁手も務めたが、送球イップスに陥って外野に転向。「やれるなら、もう一度サードを」と村山は希望。大学で大型内野手として再生されれば、プロ側はきっと放っておかない。

 ▼村山賢輔(むらやま・けんすけ) 1993(平成5)年4月14日、岐阜市生まれの18歳。181センチ、83キロ、右投げ右打ち。方県小1年から「方県ドジャース」で野球を始め、岐北中時代は硬式の少年野球ボーイズリーグ「揖斐パワーズ」(現・揖斐本巣パワーボーイズ)に所属し、3年春に遊撃手兼投手として全国大会出場。愛工大名電高では2年夏はレギュラー三塁手、最後の夏は「4番・右翼手」。

■愛大 “岩瀬の再来” 左腕・中川

 昨秋は5位と低迷した愛大には、先輩・岩瀬(中日)の再来と期待される好左腕・中川が入学する。昨夏の甲子園で伊勢工を23年ぶりに夏の甲子園出場に導いた。中央球界には無名ながら右のロングヒッター・中嶋(吉良高)、大垣日大時代に春の甲子園に2度出場した巧打者・後藤健が打線強化に一役買う。中嶋は愛工大名電高監督時代にイチロー(マリナーズ)らを育てた名伯楽・中村豪氏が吉良高野球部アドバイザーとして発掘した逸材。

■名商大 甲子園で3ラン 越田

 名商大のルーキーでは、長打力のある越田(金沢高)に注目。昨夏の甲子園初戦では先制二塁打&3点本塁打でチームの全4打点をたたき出し、奮投したエース・釜田(楽天入り)をバットで支えた。

 5季連続のリーグ優勝を目指す愛院大には、昨夏の甲子園に静岡高のエースとして出場した原崎が入学。中部大は強打の捕手・神鳥(享栄高)、昨春の東海大会で優勝した大垣商で3番を打った細川が期待の新人。名城大では、打撃センスにも優れた左腕・杉本(享栄高)、192センチの長身右腕・浅田(愛知啓成高)が新入部する。愛工大では、180センチ、100キロの巨漢大砲・石政(奈良・桜井高)が楽しみな存在だ。

(2012年2月24日 中日スポーツ10面より)
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