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お知らせ  2026.05.19

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脳にフィルム LED刺激 「光遺伝学」名城大・関口教授ら新手法

■マウス実験複数領域の脳波を同時測定

 動物の脳に光を当てて活動に介入する「光遺伝学」の新手法として、名城大の関口寛人教授(電子工学)らの研究グループが、マウスの脳を薄いフィルムで覆い、16個の発光ダイオード(LED)で刺激する装置を開発した。聴覚や嗅覚などを担う複数の領域に同時に作用できるため、認知症などヒトの脳の複雑な現象の解明に役立つ可能性もある。応用物理学会(東京)の国際誌に掲載された。(梶山佑)

 光遺伝学は、光に反応する神経細胞が現れるよう遺伝子操作した動物を使い、脳などの活動を制御する神経科学の技術。青色の光に反応するタンパク質を脳の神経細胞に発現させたマウスなどが使われる。従来、手術でマウスの脳に光ファイバーを刺したり、頭頂部の表面にフィルムを載せたりする手法はあったが、脳を壊さずに深部まで広く光を当てるのは難しかった。

 研究グループは、脳と頭蓋骨の狭い隙間に着目し、ポリマーシートと極小なLEDの一体化技術を考案。40分の1ミリの薄さのフィルム(幅3.4ミリ)を開発し、手術で隙間に滑り込ませた。32個の電極もつけ、脳波を同時測定できる。

 フィルムを装着したマウスは、スイッチで16個のLEDを光らせることで、視、聴、嗅、触の4感覚を刺激できた。ヒトを含む動物の脳内ネットワークの解明に利用できるといい、関口教授は「LEDという日本の技術を使って、神経科学の基礎研究を加速させたい」と展望する。

(2026年5月19日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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