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学生活動  2022.09.13

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荻須作品思い出 学生が取材 名文理大生と記念美術館 冊子と映像を制作

講義で取材結果を報告し合う学生=稲沢市の名古屋文理大で

講義で取材結果を報告し合う学生=稲沢市の名古屋文理大で

■洋画家らにインタビュー 「愛着を持つきっかけに」

 稲沢市の名古屋文理大情報メディア学部の4年生が、同市荻須記念美術館にまつわる人々の「思い出」をまとめた冊子とインタビュー映像を制作した。美術館が来年、開館40周年を迎えるのを前に、市民らの記憶に残るエピソードを集め、より地元に愛される運営につなげるねらいだ。(寺田結)

 企画は同館の学芸員が、思い出の調査手法について大学側に相談したことがきっかけで始まった。インタビューの相手は、生前の荻須高徳を知る人や大学教員など計7人。青山太郎准教授=映像学=の講義を受けた学生19人が、荻須や美術館との関わりを尋ねた。

 「(荻須作品は)写実ではなく、荻須さんの中を通して出てきた世界だと思う」。そう話したのは、荻須との交流があった洋画家の野田龍二さん。パリの建築物を描いた色の多様さや、形のいびつさを特徴として挙げた。学生は「荻須への尊敬の思いを大切にしている」などと感想を添える。

 同館で子ども向けの美術講座を担当するアーティスト奥田美樹さんは、学生の質問に対し「自分自身にとっても、子どもたちの絵はとても勉強になる」などと答えている。学生が編集した冊子は同館内で閲覧可能で、冊子に載せたQRコードで動画も視聴できる。

 約半年かけて企画に取り組んだ学生は、講義内で班ごとに内容を発表した。河合奎吾さん(22)は「幼いころに父親と美術館に行った時は楽しみ方が分からなかったが、今なら少し分かるかもしれない。改めて行ってみたい」と話した。

 青山准教授は「美術館が文化施設、生涯学習施設としての機能をどう果たしてきたかが透けて見える形になった。継続的に記録すれば、情報価値は高まる」と述べた。学芸員の大原万季さんは「冊子が美術館をより深く知り、愛着を持つきっかけになると良い」と期待した。

(2022年9月13日 中日新聞朝刊尾張版より)

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