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学生活動  2021.09.18

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矢田郷地区協と金沢工大 共同整備 七尾城跡 大手道に休憩所を

休憩所に設けるいすやテーブルなどを手掛ける学生ら

休憩所に設けるいすやテーブルなどを手掛ける学生ら

 七尾市の国史跡・七尾城跡の大手道(旧道)で、来訪者が交流できる休憩所を設ける取り組みが進んでいる。ふもとの駐車場から本丸跡(標高約300メートル)まで2.5キロほど。戦国時代の巨大山城跡として全国的に知名度が高く、トレッキングでも人気だが、一休みできる場所がないのが課題だった。地元の矢田郷地区まちづくり協議会が主体となり、金沢工業大(野々市市)と共同で整備している。 (稲垣達成)

■あすの七尾城まつり80回目祝う事業

 七尾城登山口駐車場から約700メートル。案内板に沿って進むと、「高屋敷」と書かれた看板が目に入る。現在は竹やぶが広がり、建造物は残っていないが「能登畠山氏や重臣の屋敷跡とみられる」と記されている。そのすぐそばに立つ納屋を、休憩所として活用する。

 「本丸跡に向かうルートの中に休憩所がなかった。行きはまだいいが、帰りに休める場所があればと思った」。19日に80回の節目を迎える「七尾城まつり」実行委員長の政浦義輝さん(45)が語る。名付けて「高屋敷人とまちの交流拠点づくり」。祭りの記念事業の1つに位置付けた。

 七尾市教委によると、納屋はもともと地元住民が管理したが、管理者が「何かの役に立てば」と2019年に市に寄贈。その折、同協議会で交流拠点を整備する構想が持ち上がり、市から借りて実施することになった。

 整備に向け、協議会はこれまでも七尾市内の住宅などの改修に携わってきた金工大建築学科の学生でつくる「Toiro(トイロ)プロジェクト」と連携。コロナ禍のためオンラインで話し合いを重ね、6月に学生たちが初めて現地を訪れた。リーダーの清野琴梨(せいのことり)さん(20)=3年=は「明るい印象で、ゆったり過ごせる場所にしたいと思った」と話す。

 学生らは、祭りを控えた13日に現地で作業。机やいすなどを作り、納屋に設置した。清野さんは「地域住民と県外から来た人が触れ合う場になれば」と期待。政浦さんも「1人でも多くの人が、七尾城跡に関心を持ってくれたらうれしい」と話している。お披露目は10月中を予定している。

(2021年9月18日 北陸中日新聞朝刊16面より)

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