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お知らせ  2021.06.30

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学生と企業 必須の手段に オンライン面接 模索と工夫と

オンライン面接用の部屋で、就職活動の経験を語る渡部さん=岐阜市の岐阜聖徳学園大羽島キャンパスで

オンライン面接用の部屋で、就職活動の経験を語る渡部さん=岐阜市の岐阜聖徳学園大羽島キャンパスで

■岐阜大など専用ブース 動画で雰囲気伝える会社も

 来春卒業する学生を対象とした採用選考が今月から解禁された。新型コロナウイルスの影響で、オンラインでのやりとりは学生、企業の双方にとって欠かせない手段となった。オンラインが定着しつつある県内の就職事情を追った。(藤原啓嗣、形田怜央菜)

 オンラインでの説明会や面接に対応するため、岐阜大(岐阜市)などが専用のブースを設置している。岐阜聖徳学園大は羽島キャンパス(岐阜市)にオンライン面接用の部屋を3室設けた。生活音に邪魔される自宅などと違い、面接に集中できることから、学生からは好評だという。顔色が映える照明などの機器を貸し出し、印象のアップにもつなげる。

 利用した外国語学部4年の渡部会香(はるか)さん(21)は「スーツを着て大学に来るだけで、気持ちを切り替えられる。面接前に就職課の先生と話すとリラックスできる」と効果を語る。

 相談に乗る就職課の兼山崇係長によると、オンラインでは音声が聞き取りにくい場合がある、という相談が目立つ。兼山さんは「聞き取りにくいときは聞き返した方がいい。学生側も、伝わりやすい表現や声色を工夫することが大事」とアドバイスする。

 企業側も、新たな採用スタイルを模索する。オンラインでの面接は、遠方に住む学生が受けやすく、時間の融通も利くことから、広く人材を募ることができるメリットがある。一方、採用担当者からは「対面と比べて雰囲気が伝わりづらい」との声もある。

 オンライン面接を導入する十六銀行(岐阜市)は、以前より面接の回数を増やし、学生の人物像をしっかりと把握しようと努める。岐阜プラスチック工業(岐阜市)とグループ各社は、直接対面して面接する機会を1回は設けるが、インターンシップはオンラインで実施する。

 社内の雰囲気を感じてもらうため、インターネットの動画を活用する中小企業も。美濃加茂市の葬儀社「濃飛葬祭」は、20~30代の社員11人を中心とした採用チームが、本年度新たに動き始めた。

 加藤綾花さん(25)が社員にインタビューする様子を、大林亜美さん(28)がタブレットで撮影。台本は用意せずにありのままの職場の様子を収録し、社員の素顔を伝える。

 鈴木哲馬社長(53)は「中小企業は社長の影響が大きい」として、オンラインの社員紹介にも必ず出演する。「最近の学生はどんな仲間と働くかを重視している。どんな人か想像しやすいように、さらけ出している」と話している。

(2021年6月30日 中日新聞朝刊岐阜県版より)

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