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2010.05.27
東海大学サッカー選手権 中京大10年ぶりV
■延長戦→PK戦で決着
第57回東海大学サッカー選手権は26日、静岡スタジアムエコパ補助競技場で決勝が行われ、中京大が1−1から延長戦、PK戦(5−4)の末、浜松大を下し、2000年以来10年ぶり20度目の優勝を果たした。中京大は7月に開かれる総理大臣杯に出場する。
■森本“主将”堅守で引っ張った Jリーグ特別指定選手に 二重の喜び
PK戦5人目、後攻の中京大・星野のシュートが決まった瞬間、ベンチから選手たちが駆けだした。歓喜の輪の中心にいたのはMF森本良(つかさ)選手(4年)。「勝てて良かった」。J2鳥栖からJリーグの試合に出場可能な特別指定選手として発表されたこの日、二重の喜びに浸った。
本来はセンターバック(CB)だが、西ケ谷隆之監督(37)が就任した今季はボランチでプレーする。さらにこの日は教育実習で不在の平山主将に代わり、ゲーム主将も任された。
■攻撃陣の反撃誘う
完全アウェーの雰囲気の中、チームは立ち上がりから得点機を何度も外した。前半終了間際のロスタイムにはCKから先制された。嫌な流れ。それでも森本に焦りはなかった。「相手の攻撃は怖くなかった。ロングボールさえはね返せれば、前線が点を取ってくれる」と確信があった。
“主将”が大きく構えればチームも落ち着く。後半33分、攻撃陣が応えた。熊沢の右からの低いクロスに斎藤が反応。左足のつま先で触れたボールは貴重な同点弾となった。延長、PK戦の末の優勝に西ケ谷監督は「集団でまとまってくれた」と褒めた。
森本は名古屋グランパスユース出身で、現在オランダでプレーする吉田麻也は同期。トップ昇格できなかった悔しさを胸に中京大に進み、昨年はユニバーシアード大会の日本代表にも選ばれた。今季はボランチでプレーすることで「CBに入ったときには落ち着いてできる」と話す。
特別指定選手になったことで、今後は中京大に所属しながら鳥栖の練習にも参加する。「(プロは)夢だったので一歩踏み出せた」と森本。「注目される中でもアピールできないといけない。総理大臣杯はタイトルを取る」。大学最後の1年は飛躍の年になりそうだ。 (高橋雅人)
■浜松大 逃げ切れず
浜松大は1点を先制した後、追加点を奪えなかったのが響いた。1年生FWの大石にロングボールを出す戦術で何度かチャンスをつくったほか、セットプレーのチャンスも幾度となくあったが、中京大の厚い守備にはじき返された。長沢監督は「残念」と悔しい表情。それでも「個々の能力では中京大の方が上。選手たちはよくやった」とたたえた。
(写真)浜松大ー中京大 PK戦を制し優勝を決め、歓喜する中京大イレブン(中央キャプテンマークは森本良選手)=静岡県袋井市の静岡スタジアムエコパ補助競技場で
(2010年5月27日 中日スポーツ11面より)
第57回東海大学サッカー選手権は26日、静岡スタジアムエコパ補助競技場で決勝が行われ、中京大が1−1から延長戦、PK戦(5−4)の末、浜松大を下し、2000年以来10年ぶり20度目の優勝を果たした。中京大は7月に開かれる総理大臣杯に出場する。
■森本“主将”堅守で引っ張った Jリーグ特別指定選手に 二重の喜び
PK戦5人目、後攻の中京大・星野のシュートが決まった瞬間、ベンチから選手たちが駆けだした。歓喜の輪の中心にいたのはMF森本良(つかさ)選手(4年)。「勝てて良かった」。J2鳥栖からJリーグの試合に出場可能な特別指定選手として発表されたこの日、二重の喜びに浸った。
本来はセンターバック(CB)だが、西ケ谷隆之監督(37)が就任した今季はボランチでプレーする。さらにこの日は教育実習で不在の平山主将に代わり、ゲーム主将も任された。
■攻撃陣の反撃誘う
完全アウェーの雰囲気の中、チームは立ち上がりから得点機を何度も外した。前半終了間際のロスタイムにはCKから先制された。嫌な流れ。それでも森本に焦りはなかった。「相手の攻撃は怖くなかった。ロングボールさえはね返せれば、前線が点を取ってくれる」と確信があった。
“主将”が大きく構えればチームも落ち着く。後半33分、攻撃陣が応えた。熊沢の右からの低いクロスに斎藤が反応。左足のつま先で触れたボールは貴重な同点弾となった。延長、PK戦の末の優勝に西ケ谷監督は「集団でまとまってくれた」と褒めた。
森本は名古屋グランパスユース出身で、現在オランダでプレーする吉田麻也は同期。トップ昇格できなかった悔しさを胸に中京大に進み、昨年はユニバーシアード大会の日本代表にも選ばれた。今季はボランチでプレーすることで「CBに入ったときには落ち着いてできる」と話す。
特別指定選手になったことで、今後は中京大に所属しながら鳥栖の練習にも参加する。「(プロは)夢だったので一歩踏み出せた」と森本。「注目される中でもアピールできないといけない。総理大臣杯はタイトルを取る」。大学最後の1年は飛躍の年になりそうだ。 (高橋雅人)
■浜松大 逃げ切れず
浜松大は1点を先制した後、追加点を奪えなかったのが響いた。1年生FWの大石にロングボールを出す戦術で何度かチャンスをつくったほか、セットプレーのチャンスも幾度となくあったが、中京大の厚い守備にはじき返された。長沢監督は「残念」と悔しい表情。それでも「個々の能力では中京大の方が上。選手たちはよくやった」とたたえた。
(写真)浜松大ー中京大 PK戦を制し優勝を決め、歓喜する中京大イレブン(中央キャプテンマークは森本良選手)=静岡県袋井市の静岡スタジアムエコパ補助競技場で
(2010年5月27日 中日スポーツ11面より)