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2010.05.21
『あかつき』金星へ出発
■H2A、打ち上げ成功 “相乗り衛星”も軌道に
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は21日午前6時58分、日本初の金星探査機「あかつき」などを載せたH2Aロケット17号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた。H2Aは約30分後に、あかつきを金星に向かう軌道に投入した。打ち上げ成功は11機連続となった。
あかつきは約5億2000万キロを飛んで12月に金星の周回軌道に入り、大気の動きなどを2年以上にわたり観測する。日本が惑星探査機を打ち上げるのは火星探査の「のぞみ」以来12年ぶり。のぞみは周回軌道への投入に失敗しており、初の成功を目指す。
金星版の気象衛星とも言われるあかつきには、赤外線から紫外線までをとらえる5台のカメラを搭載。二酸化炭素からなる厚い大気や硫酸の粒でできた雲の様子を調べ、秒速100メートルもの風が吹き荒れる仕組みなど、金星の気候の謎に迫る。
金星は大きさなど地球と似た点が多い。観測成果は、地球の気候変動の理解にも役立つと期待される。
また、H2Aは同時に積み込んだ同機構の宇宙ヨット「イカロス」も、金星付近に向かう軌道で分離。東京大や愛知工科大など全国22の大学・高専が参加した「UNITEC−1」のほか、早稲田大、鹿児島大、創価大の小型衛星3基もそれぞれの軌道に投入した。
あかつきとイカロスには、計41万人のメッセージやイラストが書かれたアルミ製プレートとDVDが載せられており、一緒に金星を目指す。
▽あかつき
金星の高度300〜8万キロの楕円(だえん)軌道を一周30時間で周回。大気の構造や雲の動き、雷などを気象衛星のように観測する。重さ約500キロの箱形本体に紫外線から可視光、赤外線まで5種類のカメラを搭載。本体の左右に太陽電池パネルを展開する。観測期間は2年、総事業費はロケット含め約250億円。
(2010年5月21日 中日新聞夕刊1面より)
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は21日午前6時58分、日本初の金星探査機「あかつき」などを載せたH2Aロケット17号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた。H2Aは約30分後に、あかつきを金星に向かう軌道に投入した。打ち上げ成功は11機連続となった。
あかつきは約5億2000万キロを飛んで12月に金星の周回軌道に入り、大気の動きなどを2年以上にわたり観測する。日本が惑星探査機を打ち上げるのは火星探査の「のぞみ」以来12年ぶり。のぞみは周回軌道への投入に失敗しており、初の成功を目指す。
金星版の気象衛星とも言われるあかつきには、赤外線から紫外線までをとらえる5台のカメラを搭載。二酸化炭素からなる厚い大気や硫酸の粒でできた雲の様子を調べ、秒速100メートルもの風が吹き荒れる仕組みなど、金星の気候の謎に迫る。
金星は大きさなど地球と似た点が多い。観測成果は、地球の気候変動の理解にも役立つと期待される。
また、H2Aは同時に積み込んだ同機構の宇宙ヨット「イカロス」も、金星付近に向かう軌道で分離。東京大や愛知工科大など全国22の大学・高専が参加した「UNITEC−1」のほか、早稲田大、鹿児島大、創価大の小型衛星3基もそれぞれの軌道に投入した。
あかつきとイカロスには、計41万人のメッセージやイラストが書かれたアルミ製プレートとDVDが載せられており、一緒に金星を目指す。
▽あかつき
金星の高度300〜8万キロの楕円(だえん)軌道を一周30時間で周回。大気の構造や雲の動き、雷などを気象衛星のように観測する。重さ約500キロの箱形本体に紫外線から可視光、赤外線まで5種類のカメラを搭載。本体の左右に太陽電池パネルを展開する。観測期間は2年、総事業費はロケット含め約250億円。
(2010年5月21日 中日新聞夕刊1面より)