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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2019.10.02

名大・岐大 データ分析 専門家育成 産学官連携 法人統合の目玉に

 名古屋大は3日から、岐阜大と協力し、消費者や産業活動などが生み出すビッグデータを分析して新たな情報や価値を見いだす人材を育てる「実践データサイエンティスト育成プログラム」を本格的に始める。これからの時代に欠かせないデータ分析の専門家を輩出する。名大と岐大の運営法人の統合で来春新設される「東海国立大学機構」では教育内容の共通化を図るが、プログラムはその先駆けともいえ、機構発足後は目玉にしたい考え。
 
 大学院生や社会人が対象で、地元を中心とした8企業や5自治体とも連携し、企業などが持つ実際のデータを使って課題を解決する演習が特徴だ。この事業には三重大も参加する。
 
 開講するのは、6科目の講義と「実世界データ演習」で、名大と岐大の院生や社会人ら計73人が受講。三重大の学生も希望すれば参加できる。講義は対面のほかビデオ配信もあり、データの分析技術を学び、企業などでデータを扱う実務者の話も聴く。
 
 演習はグループワークで実施され、企業からは野菜の最適な栽培条件を探るためのデータや、物流の作業状況を予測するためのデータなどが出される想定。学んだ技術や学生の若い発想力をいかしてデータを分析し、データを提供した企業らに新たな解決策を提案することを目指す。
 
 名大では、文系理系を問わずデータ分析力は必要だとして、全学の修士課程の院生にプログラム参加者の募集をかけたところ、約2週間で定員の2倍の43人が希望。夏休みにはオンラインで、岐大の教員がつくった基礎知識を学ぶ事前科目を受けた。岐大からは自然科学技術研究科の院生が参加している。
 
 毎年開講し、プログラムの修了証も渡す。教育担当の藤巻朗副学長は「ビッグデータがあふれる時代、データを分析する技術は武器になる。東海地区のものづくり産業は変換期を迎えており、データサイエンティストを育成し送り込むことが使命であり、地域貢献」と話した。(芦原千晶)

(2019年10月2日 中日新聞朝刊1面より)

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