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学生活動 2018.09.04
防犯ポスター 児童が作る 長久手 企画、運営すべて大学生
理想のまちづくりに向けて住民らの発案を実際の行動に移す長久手市の試み「お試しアクション」で、小学生が防犯ポスターを作成した。企画や運営は全て大学生らが担当。代表を務める名古屋学芸大3年の秋山隼大さん(20)は、これを機に「学生たちが学びを生かしながら社会貢献する仕組みをつくりたい」と意気込む。(吉本章紀)
本年度内に「市民まちづくりプラン」の策定を目指す市は、今年2月、学生がまちづくりのアイデアを競う「学生まちづくり甲子園」を開催。秋山さんと同大3年の高木雅哉さん(21)の2人が「学生の力を生かしてまちが抱える課題を解消する仕組み作り」を提案して優勝した。秋山さんはデザイン学科でデザインプロデュースを学んでおり、「『もの』よりも『こと』をつくることが多く、イベント企画などを学び、まちづくりに興味を持った」と話す。
市民がグループになってできることなどを考え、それを実践して課題を探る「お試しアクション」の一つとして、今回の企画を任された秋山さん。「子どもが自分から来てくれるようにしたい」という強い思いを込め、水彩絵の具を水鉄砲で噴射して染めた布を材料に、防犯ポスターを作る内容にした。本番前に会場の西小校区共生ステーションに足を運んだ際、子どもたちがインクで相手の陣地を染めるゲームに夢中になっていたことから着想したという。
小学生対象のため、同大の幼児教育を学ぶ学生を誘った。防犯ポスターに有効なデザインを考えるため、愛知淑徳大心理学科の学生にも協力を依頼。心理学の知識を生かして、ポスターには気持ちを落ち着ける「紫」と、注意喚起をする「だいだい」の2色を採用することにした。
8月下旬の催し当日は、1〜6年の児童27人が、赤と青、赤と黄を塗るグループに分かれて、全身絵の具だらけになりながら水鉄砲を使って大きな布に色を付けた。
布は学生らがA4サイズほどの大きさに裁断。そこに不審者をにらみ付ける「目」や、「不審者」「防犯システム作動中」といった言葉が書かれた紙を貼り付けた。ペンで眼球に赤い線を入れて緊張感を高める工夫をするなど、個性豊かなポスターが出来上がった。
「センターでチラシを見て、普段できない体験ができるかもと思って参加した」と語るのは西小学校6年の男子児童(11)。「水鉄砲でできるだけ色を混ぜようと頑張った。まちの役に立てようと集中した」と笑顔を見せた。
秋山さんは「親に強制されて参加するような、ただの防犯教室にはしたくなかった。子どもたちが自発的に来て楽しんでくれていたのでうれしかった」と手応えを感じていた。高木さんも「学部間での連携は難しいところもあったがうまい具合に学んだことを生かせたと思う」と話した。
完成したポスターは全てラミネートで包み、学生らが選んだ優秀作品4枚を今後、市内に掲示する。
(2018年9月4日 中日新聞朝刊なごや東版より)
本年度内に「市民まちづくりプラン」の策定を目指す市は、今年2月、学生がまちづくりのアイデアを競う「学生まちづくり甲子園」を開催。秋山さんと同大3年の高木雅哉さん(21)の2人が「学生の力を生かしてまちが抱える課題を解消する仕組み作り」を提案して優勝した。秋山さんはデザイン学科でデザインプロデュースを学んでおり、「『もの』よりも『こと』をつくることが多く、イベント企画などを学び、まちづくりに興味を持った」と話す。
市民がグループになってできることなどを考え、それを実践して課題を探る「お試しアクション」の一つとして、今回の企画を任された秋山さん。「子どもが自分から来てくれるようにしたい」という強い思いを込め、水彩絵の具を水鉄砲で噴射して染めた布を材料に、防犯ポスターを作る内容にした。本番前に会場の西小校区共生ステーションに足を運んだ際、子どもたちがインクで相手の陣地を染めるゲームに夢中になっていたことから着想したという。
小学生対象のため、同大の幼児教育を学ぶ学生を誘った。防犯ポスターに有効なデザインを考えるため、愛知淑徳大心理学科の学生にも協力を依頼。心理学の知識を生かして、ポスターには気持ちを落ち着ける「紫」と、注意喚起をする「だいだい」の2色を採用することにした。
8月下旬の催し当日は、1〜6年の児童27人が、赤と青、赤と黄を塗るグループに分かれて、全身絵の具だらけになりながら水鉄砲を使って大きな布に色を付けた。
布は学生らがA4サイズほどの大きさに裁断。そこに不審者をにらみ付ける「目」や、「不審者」「防犯システム作動中」といった言葉が書かれた紙を貼り付けた。ペンで眼球に赤い線を入れて緊張感を高める工夫をするなど、個性豊かなポスターが出来上がった。
「センターでチラシを見て、普段できない体験ができるかもと思って参加した」と語るのは西小学校6年の男子児童(11)。「水鉄砲でできるだけ色を混ぜようと頑張った。まちの役に立てようと集中した」と笑顔を見せた。
秋山さんは「親に強制されて参加するような、ただの防犯教室にはしたくなかった。子どもたちが自発的に来て楽しんでくれていたのでうれしかった」と手応えを感じていた。高木さんも「学部間での連携は難しいところもあったがうまい具合に学んだことを生かせたと思う」と話した。
完成したポスターは全てラミネートで包み、学生らが選んだ優秀作品4枚を今後、市内に掲示する。
(2018年9月4日 中日新聞朝刊なごや東版より)