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お知らせ 2025.06.07
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給食手がける「富士産業」×名古屋学芸大 被災地の食支える協定

連携協定を結んだ名古屋学芸大の杉浦学長(右)と、富士産業の中村社長=日進市の名古屋学芸大で
災害時のキッチンカーやドローン活用に関する研究を進めようと、日進市の名古屋学芸大と給食事業などを手がける「富士産業」(東京)は3日、連携協定を結んだ。同大には管理栄養学部や健康・栄養研究所があり、両者はこれまでもキッチンカー使用時の衛生管理などで協力してきた。今後はさらに連携を深め、被災地に安全で温かな食を届ける。(青山直樹)
災害時はライフラインの寸断で食品の低温保管などができなくなり、食中毒が発生しやすい状況になる。同大は2021年から日赤県支部と共同で、キッチンカーの衛生管理と食事提供に関する研究を開始。東日本大震災などの被災地にキッチンカーを派遣してきた同社とも協力し、22年に「キッチンカー衛生管理マニュアル」を制作した。
マニュアルはウェブサイトで公開している。「作業開始前」「廃棄物の処理」など項目ごとに分かれ、「運送時に使われる段ボール等は調理室に持ち込まない」「まな板、包丁などは加熱前と加熱後の食材で使い分ける」などのノウハウを盛り込んでおり、安全な食の提供に役立ててきた。
一方で被災地では、道路の寸断などで支援物資が集積拠点から避難所に届かない「ラストワンマイル問題」が課題で、キッチンカーが到着できない場所もあったという。この問題を解決しようと、映像メディア学科でドローンの活用を進める同大に協力を依頼。連携を深めるため、協定の締結を決めた。同社担当者は「キッチンカーで行ける場所まで行き、そこで調理してドローンで運ぶことも想定している」と計画を話す。
3日に同大で締結式があり、杉浦康夫学長は「富士産業様の協力により、さまざまな研究が進んできた。協定締結がさらなる連携につながれば」と期待。同社の中村仁彦社長は「能登半島地震の際もキッチンカーを派遣し、被災地の方々に大変感謝していただけた。今後も地域に寄り添う活動を続ける」と述べた。
今後は周辺自治体との協力も進める予定で、副学長で管理栄養学部の岸本満教授(食品衛生学)は「日進市、長久手市などの防災担当部局とも連携し、産官学連携のプロジェクトを企画していければ」と話していた。
(2025年6月7日 中日新聞朝刊なごや東版より)
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