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学生活動  2025.03.29

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エレベーター こっちだよ 子連れ向けに分かりやすく

改札階の案内表示を紹介する(左から)江上さん、石河さん、渡辺さん=千種区の市営地下鉄東山線東山公園駅で

改札階の案内表示を紹介する(左から)江上さん、石河さん、渡辺さん=千種区の市営地下鉄東山線東山公園駅で

 市営地下鉄東山線の東山公園駅(千種区)で、名古屋学芸大の学生5人が考案したエレベーター案内表示の掲示が今月、始まった。東山動植物園が近接し、幼い子ども連れの乗降客も多い同駅で、ベビーカーを使う人たちをスムーズに地上まで誘導する狙いがある。学生たちは「子連れの駅利用の苦労が少しでも楽になれば」と願っている。 (片岡典子)

■名古屋学芸大生 東山公園駅に案内表示

 21日の東山公園駅ホーム。ベビーカーを押す駅利用者らが次々とエレベーターを目指していた。天井の計6カ所で目に入ってきたのが旗の形をした幅50センチ、長さ40~50センチほどの案内表示だ。ベビーカーを押してエレベーターに乗るウサギ、前方を指で示す赤い猿のイラストなどで、改札階に上がるエレベーターの方向を示す。案内表示は改札階にも2カ所あり、地上行きのエレベーターに駅利用者らを誘導する。

 案内表示の設置は、同大が子育て世代に優しい街を目指し、オープンハウス名古屋支社(中村区)などと取り組む産学協同プロジェクトの一環で、今回が第2弾。幼児保育やデザインを学ぶ学生の有志5人が参加した。

 表示のデザインに生かそうと、学生たちは駅員や子育て中の人へのアンケートに加え、東山公園駅での現場調査を実施。2年の石河穂香さん(20)は「ベビーカーなどで子どもを連れている人は目線が下の方に向くことが多く、エレベーターを見つけるのが難しいことが分かった」と話す。

 外国人にとってもひと目で分かる表示を目指し、学生たちはそれぞれが持っている子どもやデザインの知識を組み合わせ、何度もデザイン案を練り直した。2年の渡辺和音さん(20)は「『方向』『その方向の先に何があるか』『かわいらしさ』といった要素のバランスを取ることが難しかった」と振り返る。

 案内表示は13日に設置した。報道機関向けの発表会があった21日、石河さんは実際に猿のイラストに子どもが気付き、保護者とともにエレベーターへ向かう姿を目にしたといい「ものすごくうれしかった」と声を弾ませる。2年の江上泰晟さん(20)は「案内表示があることで、目的地まで行く道をわくわくした気持ちで楽しんでもらえたらうれしい」と話した。案内表示は5月6日まで掲示される。

(2025年3月29日 中日新聞朝刊市民版より)
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