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スポーツ  2018.04.06

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競泳 日本選手権 小西59秒台 連覇

女子100メートル背泳ぎ決勝 59秒62で2連覇した小西杏奈=東京辰巳国際水泳場で

女子100メートル背泳ぎ決勝 59秒62で2連覇した小西杏奈=東京辰巳国際水泳場で

 ジャカルタ・アジア大会(8〜9月)などの代表選考会を兼ねた日本選手権第3日は5日、東京辰巳国際水泳場で行われ、女子100メートル平泳ぎは青木玲緒樹(ミキハウス)が1分5秒90の好タイムで2連覇し、1分6秒52で2位に入った鈴木聡美(ミキハウス)とともにアジア大会とパンパシフィック選手権(8月・東京)の代表に決まった。

 非五輪種目の男子50メートル平泳ぎは小関也朱篤(ミキハウス)が27秒12の日本新記録で2連覇した。自らが持つ従来の記録を0秒05上回った。

 女子100メートル背泳ぎは小西杏奈(中京大)が59秒62で2連覇し、酒井夏海(スウィン南越谷)が59秒83の2位。ともに日本水連の定める標準記録を突破して代表入りした。男子200メートル自由形は松元克央(セントラルスポーツ)が1分45秒93で初制覇し、2位の江原騎士(自衛隊)、男子1500メートル自由形を14分55秒42で制した竹田渉瑚(オーエンス)とともに代表に決まった。男子200メートル個人メドレー準決勝は萩野公介(ブリヂストン)が1位通過した。

■100背 筋力アップ 代表つかんだ

 先行するライバルに追いつき、ゴール前で抜け出す。タイムは小西が「ずっと狙っていて、なかなか出せなかった」という初の1分切り。昨年、優勝しながらも派遣標準記録を突破できずにかなわなかった悲願の日本代表入りを、2年越しで実現してみせた。

 鍵はストローク数にあった。準決勝は隣を泳ぐリオデジャネイロ五輪代表の酒井を意識するあまり、後半で予定よりストロークが4回ほど増えた。予選よりタイムを落とした。

 小西の持ち味は大きなストローク。それが高い推進力を生む。前に出ようと気持ちが空回り、水をかく回数が増えれば、水をとらえ
きれずに伸びは鈍る。

 決勝。「落ち着いて自分を信じた」。焦る気持ちを抑え、後半も想定通りに34回のストロークで泳ぎ切った。

 身長158センチ。トップスイマーとしては小さな体格を補うには「筋力アップしかない」と懸命に筋トレに励む。この1年で、かつてはできなかった20キロの重りをつけた懸垂も何度もできるように。背丈に似つかわしくない立派な肩回りは勲章でもある。

 かつて寺川綾らが世界でしのぎを削った女子背泳ぎ。だが昨年の日本選手権は誰も記録を突破できず、世界選手権に背泳ぎの個人種目での派遣は見送られた。

 2位の酒井も派遣標準記録を突破。ハイレベルなレースは、低迷する女子背泳ぎへの光明でもある。(多園尚樹)

(2018年4月6日 中日新聞朝刊23面より)

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